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これからを楽しむ私になれるアクティブマガジン

2026.09.14 special

音を重ね、人とつながる ステージざんまいの夏

シリーズ

TOKUのMUSIC LIFE

皆さん、お元気ですか??

日本は暑さも落ち着いて秋が顔を覗かせてるこの頃ですね。9月にしては例年より少し涼しめなのでしょうか、このコラムを書いている日は、台風が通ったすぐ後ということもあり、20度前半の過ごしやすい日です。とは言っても日本の夏には湿気がありますからね、外にいてもちょっと息が吸いづらいと思ったりしますが、だんだんと僕の好きな秋、そして冬が近づいてきているのでちょっとワクワクしたりしています。

 

台風といえば今年は水害も多い日本ですね。世界的にも気候、地震による災害などが多い年です。
前回のコラムにも書きましたが、熊本の地震には心を痛めます。。修復中の熊本城の城壁がまたもや崩れてしまう様は見ていて辛かったです。熊本の人たちがどんな気持ちで復興に勤しんできたのかを考えると、もうこれ以上被害が大きくならないことを祈るばかりです。そして!政府の対応がもっと改善されるべきだと強く思います。

 

さて、今年の夏は日本での演奏活動を楽しんでいましたが、86日にビルボードライヴ横浜でTOKU presents A Tribute to Miles Davis」という、僕がマイルスの音楽に出会った80年代のあの時のサウンドを再現しつつ、それをお客様と共有させていただくというライヴがありました。

マイルス・デイビスにささげる、80年代サウンドを目指したライヴ

 

80年代といえば、アメリカではGo-Goというグルーヴが流行っていた時。マイルスもそれを取り入れた曲を演奏しています。加えてマイルスの音楽にはブルース、ジャズ、ファンク、といったいろんな要素が含まれています。

実際にその当時アメリカでそれを体感し演奏していたドラマーが日本に1人います。沼澤尚さんです。沼澤さんとは僕が2017年に発表したアルバム「SHAKE」に1曲だけ参加していただき、そこからライヴ、ツアーとさまざまな形で共演してきました。80年代にアメリカに渡ってからドラムを始め、数年後にチャカ・カーンの世界的ヒットアルバム「I Feel For You」の全米ツアーのメンバーに抜擢され、初来日はなんとボビー・ウーマックのバンドのメンバーとして、というとんでもない経歴の持ち主です。

そんなわけでマイルス生誕100周年の今年中に沼澤さんとマイルス・トリビュートをやりたいとずっと思っていたのです。そしてベーシストにはやはり80年代マイルスの要となるベーシストのマーカス・ミラーと親交があり、自身もマイルスの音楽をよく知る日野賢二しかいないと思っていました。さらにギタリストにはもうこのコラムでもお馴染みになってきた小沼ようすけくん、キーボードには村上ポンタ秀一さんのポンタBoxのメンバーとしても活躍し、僕のバンドにも在籍していた柴田敏孝、サックスには僕と同じ名字を持ち、若手では突出したテナー・サックスの馬場智章、というメンバーが奇跡的に揃い実現となったのです!


この日は久しぶりに登場の赤いマーティンのトランペットでサングラスという、マイルスごっこと言われようが構わないという気持ちでステージに臨みました。でもこのメンバーではごっこにならないことはわかっていました。ここまで思いっきり真剣にマイルスの音楽と向き合ってくれるメンバーとステージに立てて本当に幸せでした。終わった後はヘロヘロでしたね(笑)。

左から馬場智章、日野賢二、僕、小沼ようすけ、柴田敏孝、そして沼澤尚さん


8
12日に「帝国ジャズ」という東京の帝国ホテル内で行われるジャズ・フェスティバルに久しぶりに参加しました。ホテルの中のさまざまな催し部屋がライヴ会場になり、国内外の著名なミュージシャン達が多数参加するこのイベントは、スインギー奥田さんのプロデュースで、もう22回目になります。奥田さんはドラマーでもあり、ブルースカイオーケストラというビッグバンドのリーダーでもあります。僕はいくつかのセッション、そして久しぶりのビッグバンドとの共演を楽しみました。久しぶりに会うミュージシャン達もたくさんいて、遅くまで話し込んだりと楽しい日でした。

帝国ホテルでビッグバンドと共演


お盆は数日実家で過ごすことが出来ました。加茂市の花火大会に家族と行ったのですが、いやあ良かったなあ!
お祭りの規模も花火の内容もちょうどよくて、たくさんの家族連れが河原の芝生で思い思いの場所にゴザを敷き、寝そべって時折歓声をあげながらこの花火大会を楽しんでいる様子が本当に心地よかった。地元で久しく家族とゆっくりできてなかったので、この日のことはずっと心に残っています。

ゆったりとくつろげた加茂市内の花火大会

 

次の日は、2年連続になる地元の会館でのコンサートの日!
午後1時過ぎに到着したギタリスト の小沼ようすけくんとドラマーの北沢大樹くんを迎えに行き、前日から入っていたベーシストの金沢英明さん、当日クルマで到着したピアニストの石井彰さんと会場で合流してリハーサル。


新潟からは昨年の「TOKU Niigata Project アルバム・リリース記念コンサート」にも参加したトロンボーンの伊佐瞳、そして初共演となる15歳のテナーサクソフォンプレイヤー・笠原はるたくんが2曲で参戦しました。

 

地元でのコンサートは否が応でもテンションは上がりますね!
本当に楽しみにしていたこの日、会場にはたくさんの方が足を運んでくれました。僕の小学生や中学生の時の同級生に久しぶりに会えたのも嬉しかった。そして地元の人たちに、この素晴らしいミュージシャン達の演奏を聞いてもらいたかったんです。石井さん、金沢さん、小沼くん、北沢くんが三条市に来ることはなかなかありません。とにかく優れたセンスの持ち主達でもあります。

会館という場所での演奏は、ジャズクラブとは音の響きから何から全て違います。そのステージでの音の特性を察知して演奏の仕方を変える、1番いい響き方を見つける早さは、あらゆる場所で演奏してきたからこそ。北沢くんの、グルーヴはそのままに音量を抑えたプレイは他のプレイヤーの音を引き立たせてくれます。その上でツボをおさえつつ自由になれるリズムセクションは、理想的な音を作ってくれます。そうするとフロントに立つ僕はストレスなく本当に没頭できるんです。新潟の若手2人も頑張っていました。

アンコールにはギタリスト の皆川くんも加わり、マイルス・デイビスのAll Blues でコンサートは終了。ずっと食い入るように聞いてくれたお客さん達に感謝。じっくりと音楽を楽しんでくれている雰囲気がこちらにもしっかりと伝わってきて、僕の音楽がちゃんと受け入れられているなあと感じました。これは地元なだけに嬉しかった。

左から石井彰さん、金沢英明さん、小沼ようすけくん、皆川陽介くん、北沢大樹くん、伊佐瞳ちゃん、笠原はるたくん


次の日は東京へ戻り、その足で大阪へ。今回のアルバムでトリビュートした、直接の友人である
トランペッターのロイ・ハーグローヴのバンドが久々に来日していたのですが、ちょうどお盆で東京公演には行かれず、大阪公演を聞きにビルボードライヴ大阪まで会いに行ってきました。ロイは居ませんが、彼のスピリットはメンバーに受け継がれて最高のプレイを楽しみました。久しぶりにみんなに会えたのも本当に嬉しかった。

RH factor band のライヴ@ビルボードライヴ大阪


ひとつとても悲しいことを書きます。

8/17 東京・渋谷の Body&Soul で久しぶりに共演するはずだった、僕のデビュー直後から数年間活動を共にしたTOKU BAND のメンバーのひとり、ベーシストの佐藤ハチ恭彦が他界してしまいました。これは本当に辛くて、まだしばらくは辛いと思います。

ハチさんは本当に才能溢れるミュージシャンでした。いつも僕を音楽の深いところに連れて行ってくれました。共演した回数は数知れず、ツアー先でいつも遅くまで飲んでいたハチさんを何度も介抱しました(笑)。新潟にも何度も一緒に行きました。万代ジャズフェスティバルにも毎年のように出演していたので、覚えている方もいらっしゃると思います。


この日はハチさん追悼ライヴということになり、ベーシストには楠井五月くん、ギタリストに小沼ようすけくんを迎えてTOKU BAND時代のレパートリーばかりを演奏しました。ハチさんが書いた「海とノリコ」という曲を始め、改めて良い曲ばかりを演奏していたなあと感じました。ハチさんについてはまたどこかにたくさん書きますね。

ハチさん

8/22 は久しぶりのイベント、CD屋さん内でのインストア・ライヴでした。場所は僕が今まで最も多く足を運んだ渋谷のタワーレコード。

実は6月の渡仏の前日に近くを通るタイミングがあり、ずっと気になっていたので思い切ってジャズ売り場に行き、担当の方を問い合わせてポップを書かせてもらいに行ったのですが、その時に出会ったジャズコーナーの担当の方からインストア・ライヴの提案を受け実現したというわけです。

ジャズ売り場のひとつ上の階、クラシックの売り場にグランドピアノが置いてあり、そこがライヴ会場となりました。もちろんピアノは石井彰さん。この日はデュエットでの演奏を堪能しました。この模様は僕のWebサイトの有料会員の方はご覧になっていただけます。ぜひ観てみてください!

タワーレコード渋谷店でのインストア・ライヴ


8/30
は恵比寿のブルーノートプレイスで、クラシックのピアニスト・清塚信也くんとのデュオのライヴがありました。いやーーこのライヴもとても楽しみにしていたんです!

彼とは、お互いにバイオリニストのNAOTOくんのソロ活動20周年記念コンサートのゲストとして迎えられた時に、神戸の会場で出会いました。それからあまり間をおかずにNHKのクラシックTVに招かれた、その収録で再会しました。

マイルス生誕100周年ということで企画された回への出演ということで、大変に嬉しい気持ちの中、届いた台本を見たら清塚くんの名前が。彼に対する知識は本当に少なく、この番組の司会をやってることも知らなかったんです。

収録の日、スタジオへ向かうと聞こえてくるピアノの音が「枯葉」だということに気付きます。しかもビル・エバンスのバージョンで、「あれ?ジャズ・ピアニストが別にいるのかな?」と思いながらスタジオに入ると、弾いていたのは清塚くん!それでいろんな音楽を知っていることに気づくのです。その瞬間にすでにちゃんと共演してみたいという気持ちが芽生えていました。

それから彼が僕のライヴに頻繁に足を運んでくれるようになり、僕は彼の47都道府県ツアー新潟公演というタイミングで実家にいたので、オヤジとコンサートに招待してもらうという本当に嬉しい形で彼の演奏、そしてトークを堪能しました。しかも前の日には僕の実家に遊びに来てくれて、その模様は彼のyoutubeチャンネルで公開されているのでぜひ観てみてください!

 

そんなわけで、2月の僕のブルーノートプレイスでの公演に来てくれた時に、彼が「ここいいんじゃない?」と言ったことが今回のライヴに繋がりました。

本番前に何度か彼のうちでリハーサルを重ね、アイデアを交換したりジャズの名曲を教えたりクラシックのことを教えてくれたり、いつも違う刺激を強くもらいながら楽しい時間を過ごし、いよいよ本番の日。いやあ本当に終わってほしくないライヴでした。彼の楽器のずば抜けたコントロール力による素晴らしいタッチ、いつもと違うダイナミクス、ロマンチシズム、テクニカルな掛け合い、どれも、普段ないものが、自分の中の刺激されてなかった部分を刺激したライヴでした。彼とはまた共演したい!

クラシックのピアニスト・清塚信也くんと

 

9月に入って最初のライヴは、僕が大好きなピアニスト・David Bryant に誘われてゲストとして参加した彼のライヴ。
The Moment Jazz Clubというお店でのライヴで、僕は初出演でした。とても雰囲気のいい、音のいいとても素敵なお店です。

マイルス・デイビス・トリビュートという内容で、曲はすべてマイルスゆかりのナンバーばかり。僕のアルバムからも数曲、そしてなんと彼が2曲に歌詞を付けて、それを歌うというチャレンジングなライヴでもありました。

こういう経験は基本的にリーダーのライヴしか出来ない僕にとって有り難く、普段挑戦できないことをさせてもらえるというのはミュージシャン冥利に尽きます。ギタリストのAkira Ishiguro, ベーシストのEvan Gregorも素晴らしかった。

Davidとのライヴのフライヤー

その次の日には、久しぶりにピアニストの守屋純子さんのトリオとの共演が横浜市のホールでありました。とても新しく綺麗なミズキーホールというところ、楽屋の窓も大きくてステージも客席もとてもいい雰囲気、そして音の響きもとても良く好きなホールのひとつになりました。


ベーシストの安カ川大樹さん、ドラマーの加納樹麻くんとも久しぶりの共演。内容はやはりマイルス・デイビス・トリビュートということで、
僕のアルバムからもたくさん気持ちよく演奏しました。終演後もたくさんの方がCDを購入してくれて、それもまた嬉しかったです。

終演後、守屋純子さんと


9月6日は、 
日野皓正さんが久しぶりに日本に帰ってきたタイミングで、恵比寿ブルーノートプレイスでライヴを行ったので、遊びに行ってきました。

日野さんといえば言わずと知れた長年に渡り日本を代表するトップジャズミュージシャンで84歳現役のトランペッター。この人について書き始めるととんでもないことになるので、機会がある時にたくさん書こうと思います。日野さんとの思い出は数知れず、とにかく久しぶりの再会で久しぶりの日野さんの音、いつものことですが多いに刺激をもらいました。

途中、いつものようにいきなり僕をステージに呼んでくれて、いつものように好きに1曲やれと(笑)ということで、Smile を歌いました。日本での公演は1年以上ぶりということで、満員のお客様。そして日野さんは相変わらずすごかったです。次の来日は来年になると思いますが、またゆっくり話したいなぁ。

日野皓正さんと終演後に食べに行ったお店で

さあ、9月は中洲ジャズ(福岡)の月です!

9/12, 13 の両日とも参加します。

そしてそのまま九州をツアーします。

次回のコラムでツアーの模様をお伝えします、お楽しみに!

 

Peace, 

TOKU