伝統工芸と現代工芸が融合した、唯一無二のデザイン。洗練されているのにどこか懐かしい、佐渡産真竹の暮らしの道具。
昔から竹の産地として知られる新潟県佐渡市。良質な佐渡の竹を使い、女性ならではの感性で暮らしに寄り添った道具を作る竹工芸作家がいる。もともと関東で庭師として働いていた大野彩名(あやな)さんが佐渡へ移住を決意したのは2009年。草花、石、竹などに触れる造園業を通して、いつしか「女性の私にしかできないものづくりがしたい」と考えるようになったという。「作りたいのは日常使いできるアイテム。自分が欲しいと思うものをまず作り、ビジネスパートナーの本田虹子(にじこ)さんに見てもらう。同年代の女性の意見を取り入れながら商品化しています」

サーバーにも、マグカップにも使えるコーヒードリッパー「ひだまり」。ドリッパー&ホルダーのセットで11,000円
大野さんの活動をサポートする本田さんは、佐渡島内で製作された竹の生活工芸品を販売する本田竹店の代表。二人三脚で完成した最初の商品が、代表作・竹のコーヒードリッパーだ。竹ひごを放射状に組んで編み上げる伝統的技法「輪弧(りんこ)編み」で作られた円錐型のドリッパーは、繰り返し使ううちにコーヒー色に染まる経年変化も美しい。

この時季、お客さまのおもてなしにぴったりな竹のコースター。四ツ目編み(右)と八ツ目編み(左)、それぞれの表情を楽しみたい。各2,640円
「初めて本田さんと会った時に、『佐渡の竹でコーヒードリッパーを作ってみませんか?』と言われたのがきっかけ。強くてしなやかな佐渡産真竹の魅力をたくさんの方に伝えたいです」。女性たちの手仕事から生まれる真竹の工芸品は使うほどに趣が増すものばかり。竹から作られたかわいいアクセサリーや小物も展開しているので、オンラインショップをチェックしてみよう。

丸みを帯びた三角形がかわいらしいコーヒーフィルタースタンド「みすみ」3,850円。コーヒーフィルターを10〜15枚収納可能
展示販売のお知らせ
新潟日報メディアシップ1階「インフォメーションセンターえん」にて展示販売:8/1(金)~9/30(火)
大野 彩名さん
神奈川県出身。高校卒業後、造園業界で働く。仕事と育児の両立、そして竹工芸作家になるため、2009年に佐渡市へ移住。「SADO伝統文化と環境福祉の専門学校」で竹工芸の技術を習得し、2019年に「てから工房」を立ち上げる。
てから工房
インスタグラム|@tekarakobo.gallery
HP|https://tekarakoubou.p-kit.com
オンラインショップ(本田竹店)|https://shop.hondataketen.jp/