作家が作って終わりではない。目指すのは、自然と常に共にあり、使い手が使う中で完成されていくものづくり。
使えば使うほど、使い手と作り手、素材が一体になって暮らしになじんでいく器。新潟県長岡市小国町で活動する木工家の富井貴志さんは、「作品に込めた思いを通して、日々の生活、ひいては物事の考え方までが少し豊かになるようなものづくりを目指しています」と語る。

どんな料理もごちそうのように引き立ててくれる、頼りになる一枚。「白漆リム皿」24cm 15,400円、27cm 17,600円
富井さんが木工に興味を持ったのは高専3年の時。留学先のアメリカ・オレゴン州で木に囲まれた暮らしに心を奪われた。帰国してからも拾い集めた木々で料理道具を作り、木工への熱意を深めていったという。大学院生時代は物理学の道に進むも、木工の世界を諦められず日本の6大家具産地の一つである岐阜へ。職人たちから家具製作の技術を教わり、6年後に独立した。

カタバミ、梅などの家紋柄をモダンに昇華。独立時から富井さんが作り続ける代表作の一つ。「豆皿」各7,700円
「木は人間にとって身近な素材。作り、使われる中で傷が付き、形が変化することもある。そうやって使い手と一つになっていく過程を楽しみながら使ってもらえたらうれしい」。かつて進んだ物理の道も、現在いる木工の世界も、豊かな暮らしのために自然界を探求するという本質は共通している。
国内外のギャラリーから引っ張りだこの富井さん。地元・新潟で作品を手に取れる貴重な機会にぜひ足を運んでみては。

アスナロの木を削り、白漆リム皿と同じ仕上げで作られた箸は驚くほど軽量。「色漆箸」各4,400円

富井貴志さん
新潟県小千谷市出身。長岡高専在学時にアメリカへ留学。筑波大学大学院で物理学の道を歩むも、林業が盛んな留学先での経験が忘れられず木工家を志すようになる。木製家具メーカーに就職後、2008年に独立。現在は長岡市で活動している。
富井貴志
インスタグラム|@takashitomii
HP|https://www.takashitomii.com
オンラインショップ|https://takashitomii.shop
【今後の出展予定】「富井貴志展」2026年7月(予定)
会場|魚沼の里(新潟県南魚沼市長森426-1)[地図]



