皆さん、お元気ですか?
15回目のasshコラムです。
いま僕は船の中でこのコラムを書いています。
というのは、クルーズ客船での演奏というオファーを受け、2年ぶりに日本の「飛鳥Ⅱ」という船に乗って2週間ほどの海外クルーズ旅をしています。
今回で4回目となるこの飛鳥クルーズ、初体験は2006〜2007年にかけての10日間のグアム・サイパン航路で、大晦日には船上で乗客の皆さま、スタッフさんたちとカウントダウンをしたのを覚えています。
それからしばらく縁がなかったのですが、バイオリンのNAOTOくんが2023年のクリスマス・クルーズでの演奏に誘ってくれて3日間乗船したことでまた縁ができ、翌年2024年の4月にモーリシャスからケープタウンの8日間ほどの航路に乗船しました。昨年もオファーをいただきましたが残念ながらスケジュールが合わず、今年はタイミングよく4回目の乗船となりました。
今回はカナダのビクトリアから乗船し、アメリカ西海岸沿いに南に下りハワイまで行く航路で、途中シアトルとサンフランシスコに寄港しました。そして一緒に乗船したバンド・メンバーは、ニューヨークから友人の紹介で来てくれたベーシストのショーン・ドラビット、韓国からは2016年に韓国での公演で初共演し、次の年の2017年には日本に呼んで一緒にツアーした素晴らしいドラマーのサンミン・リー、そして日本からギタリストの小沼ようすけくん、というインターナショナルなメンバーとなりました。彼らとの4人のバンドでクルーズ中に3回のステージをこなします。
僕はショーンに会うのは初めてで、ようすけくんはショーン、サンミンとも初めて。ショーンは韓国に住んでいた時にサンミンと共演した時期があり、久しぶりの再会となりました。
ショーンは元々ビクトリアの出身で、乗船の数日前にビクトリア入りしていて、前日入りした僕とようすけくん、サンミンと皆での初顔合わせディナーを楽しみました。
そして翌日から飛鳥Ⅱに乗船。なんとショーンはその昔、飛鳥Ⅱという名前になる前の同じ船体に乗船したことがあり、時を経てまたこの船体に乗ることになるとは!と感慨深い思いを話していました。
お昼くらいにホテルを出発し飛鳥Ⅱの待つ港へ。
久しぶりにスタッフの皆さんと再会し、それぞれの部屋へチェックイン。
スタッフの皆さんは口々に「おかえりなさいTOKUさん!」と言ってくれて心があったかくなりました。飛鳥のスタッフさん達のホスピタリティは本当に高くて、どんな時でも笑顔で対応し乗客の要求に精一杯応えてくれます。これはなかなかできないこと。さまざまな種類の要求に対応するのは忍耐力と精神力が必要で、大変なことです。これにはいつも感銘を受けます。
夜の出航まで時間があるので、僕とようすけくん、サンミンの3人でビクトリアの街中にある美術館へ。なかなかに興味深いものがたくさんあって楽しい時間でした。特に興味深かったのは、先住民達の話していた古代の言葉。地域ごとに音声を流す機械が設置され、片っ端から聞きました。同じ意味でも地域によって全然違うのがとてもおもしろかったです。また現代においてその言葉をどれくらいの人が受け継いでいるのかをパーセンテージで表示してあったのも興味深かったです。
さて、船に戻りいよいよ出航です。ちょうど夕食の時間と重なっていて、気付くとビクトリアを出発していました。夕食は毎夜コース料理を乗客の皆さんと同じダイニングでいただきます。日によって和食、洋食と変わり、そのお味は常に高い水準をキープしています。なんで船の中でこんなことが出来るのか、そのレベルの高さには脱帽です。
そして、飛鳥クルーズでは1日を通して朝から夜11時まで、必ずどこかで何かを食べたり飲んだりできるようになっています。その時の気分でカフェに行ったりレストランに行ったり、ルームサービスも充実しています。
その他にも船内にはたくさんの施設があります。映画館、劇場、カジノ、図書館、バー、カラオケ、麻雀スペース、ジュエリーショップ、ラウンジ、ジム、サウナ、プール、まるで海の上の高級ホテルのような感じ。
日々さまざまな催し物が行われていて、乗船するエンターテイメントの方々もジャンルはさまざま。落語家もいらっしゃればプロゴルファーの方がレッスンをしていたり、フィジカルトレイナーさんがエクササイズをしていたり、終日航海をしている日でも飽きないような工夫がなされています。これもまたすごいことです。
今回は知り合って20年くらいになる沖縄出身の歌手・夏川りみちゃんも乗船していて、久しぶりに彼女の歌声を楽しみました。彼女も僕のステージを聞きに来てくれて、思いがけず嬉しい再会でした。
エルビス・プレスリーのモノマネさんも乗船していて、この方のショーも楽しかったです。エルビスTokiさんという方で、とてもいい方。以前から僕のライヴに足を運んでくれていたこともありとても良いご縁ができたのも嬉しいことでした。
大好きな仲間と2週間同じ空間で過ごすということも今ではなかなか出来ないこと。音を出す以外の時間も大切で、一緒にご飯を食べながら音楽以外の話題で意見交換したりして、それぞれに感じたことが次のステージで音として出てきたりします。普段の生活が音に影響するなんてジャズって人間臭いですよね。それだけ自由になれる、感じたことをその場で表現できる音楽なんです。
サンフランシスコではなんと、日本在住のピアニストで、僕のクリスマス・ミニアルバムにも参加してくれたDavid Bryant がちょうど僕らが着いた日の夜にSF Jazz というジャズ・クラブで演奏していたので聞きに行ってきました。次の日にまた別の友人とDavidと合流してランチを楽しみ、夜にハワイに向けてサンフランシスコを出発。1993年に初めて訪れた以来の訪問でした。
サンフランシスコを出てから6日後の朝にハワイのコナに到着。初めてのハワイ上陸です。ここでは大きな船は接岸出来ないので、船からボートで10分ほどかけて岸に向かいます。
なんともゆったりとした、あったかい島らしい時間が流れているところだなあというのが最初の印象です。僕は船でゆっくりとお昼を食べてから上陸しましたが、他のみんなは午前中から上陸してシュノーケリングなどを楽しんでいた様子。僕もみんなと合流して楽しもうと思っていましたが、待てど暮らせど予定通りにバスが来なくてみんなとは合流できず、1人で近くのビーチに行ってゆっくりと波に浸かっていました。綺麗な海水に入ることができてこれだけでも大満足。帰りのボートではみんなと合流し船に戻りました。
それから2日後にナウィリウィリ(ハワイ・カウアイ島)というところに到着してそこで僕らは下船となりました。思えばあっという間の2週間、ライヴのない日の昼間はほぼ毎日のようにメンバーで集まってジャム・セッションをして過ごし、ほぼ毎日夕食を共にし、みんな思い思いに自由な時間を楽しんでいました。
クルーズが大好きな理由のひとつに、満天の夜空があります。初めてのクルーズで経験して大感動したんです。僕はなぜか昔から星を見るのが大好きなんですが、真夜中にクルーズ船のデッキから見える星の数は今まで見たことがないくらいで、頻繁に出る流れ星、天の川、反対側には月が美しく海面を照らし、それは幻想的な光景です。
残念ながら今回はそこまでは見られませんでしたが、でも夜にふと自分の部屋のバルコニーに出ると、たくさんの星が見える時がありました。そんな時はそのまま椅子に座り、波の音と共にしばらく夜空を見上げていました。至福の時です。
5月のゴールデンウィーク中にいくつかのイベントに出演しました。まずは1日に神戸でギタリストの小沼ようすけくんと、子供服のファミリアさんの神戸本店での昼間のフリースペースとカフェでの演奏イベントで、マスコットキャラクターのファミちゃんも登場しての心温まるイベントでした。
そして毎年恒例の出演になった関西のフェスティバル、「高槻ジャズストリート」に出演しました。
今年も3、4日の2日間とも出演、初日は闘病中のギタリスト・西藤ヒロノブくんを応援するセッション・バンドで、ヒロノブくんのセンス溢れるオリジナル楽曲を、今年は小沼ようすけくんも交えて演奏しました。
2日目は新しいアルバムのお披露目ライヴといった内容で、ピアニストの石井彰さんにも参戦していただき、信頼する関西のミュージシャン2人と共にカルテットで出演。久しぶりにベーシストの荒玉哲郎さん、ドラマーの中村雄二郎くんと共演できたのは嬉しかったです。
6日には名古屋の老舗のジャズクラブ、「Jazz Inn Lovely」でライヴ。実はこの少し前にオーナーの河合さんが亡くなられてしまい、追悼の意を込めてステージに立ちました。冒頭に挨拶をさせていただき、お世話になった感謝の気持ちを述べ、優秀な名古屋のミュージシャンとともにカルテットで河合さんに捧げました。いつも「自分だけの表現を大切に」と背中を押してくれました。この夜もどこかで聞いてくれていたら嬉しいな。
今はハワイから帰国して書いています。
帰国した次の日の早朝からラジオ局J-Waveの生放送に出演し生演奏しました。いやあ起きられるか心配でしたが終わってホッとしたなあ。。
その日は忙しく、昼間に旧友でもあるヒップホップ界のアイコン的存在のZeebraと、とあるYouTube番組の収録に招かれて広尾のスタジオに。この模様はまたお伝えしますね。
そして夜はジャズクラブ・アルフィーで自分のライヴでまた六本木に(笑)。六本木に縁のある日でした。
5月最後の2日間もライヴで、これまた六本木の「エレクトリック神社」でマイルス・デイビス・トリビュート・セッション、そして31日は僕がジャズを始めるきっかけとなった場所、埼玉県朝霞市の「停車場」で旧友たちとライヴ、この月もライヴ三昧な1カ月となりました。何より1番長い時間を共に過ごしたのは家族ではなくギタリストの小沼ようすけくんという月でもありました(笑)。
次回は初夏のパリから書きます。
どうぞお楽しみに!
Peace,
TOKU















