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2024.07.07 life

【特集】「つながり」が作る社会 / 三条ベース

エリア

中越下越/佐渡

私たちの人生は、誰かとつながることでより豊かになるというもの。
しかし新型ウイルス禍以降は「つながり」のありようが変化したように感じている人も多いのでは?
今回は三つのスポットのうち新潟県三条市にある複合施設「三条ベース」の自由で楽しい「つながり」のかたちを紹介します。


家でも学校でもない、子どもたちが主役の居場所

昭和生まれの世代なら、子どもの頃に行きつけの駄菓子屋があった人も多いだろう。「私は今24歳ですが、父が子どもの頃は近所に駄菓子屋さんがいくつもあったそうです。私が小さい時は1軒だけありましたが、そこも商売をやめてしまいました」と話すのは、三条ベース店長の高橋美羽(みう)さんだ。美羽さんの父で三条ベースの生みの親である高橋憲示さんは「子どもたちの居場所をつくりたい」とここをオープンした。

店長の美羽さんは、子どもたちから「駄菓子屋のお姉さん」と慕われる存在

廃業したたんす金具の製造工場を買い取ってリノベーション。1階は駄菓子にゲーム、漫画を読める畳スペースもあり、子どもにとってパラダイスのような空間が広がる。やって来る子どもたちは小学生から高校生まで幅広い。店の前が自転車でいっぱいになるのもよくある光景だという。思い思いに放課後の時間を過ごす子どもたち。小学校が違う子同士が仲良くなり「そういえば名前知らないけど、ま、いーよね!」と笑い合う、何ともほほ笑ましいシーンもあるそうだ。

駄菓子コーナー。「子どもたちにワクワク感を味わってほしくて、当たり付きや金券付きの商品を多く仕入れています。10円のお菓子で100円の金券が当たることもありますよ」と美羽さん

2階では古着、おもちゃ、食器などのリサイクル品を豊富に扱うが、値札は付いていない。「不用品を持ち込んでいただくとチケットをお渡しします。チケット1枚でどれでも5点好きなものを持ち帰ることができます」と美羽さん。不用品を持ち込んだ人の中には「子どもたちにあげて」とチケットを寄付する人も多く、子どもは基本的に自由に品物を持ち帰ることができる。

三条ベースが誕生しておよそ10年。進学や就職で地元を離れ、帰省の際に立ち寄る若者もいるという。「これからも変わらない場所として三条ベースを守っていきたいです。ここは大人のペースに合わせなくていい、子どもが主役の場所。大人になった人にとっては、子どもに戻れる場所なんです。いつでも『おかえり』と言って迎えてあげたいです」と話す美羽さんのまなざしは優しかった。

2階は生活用品全般を取り扱う無料の物々交換所ZUPPE(ずっぺ)燕三条。「ずっぺ」は「お互いさま」を意味する三条の方言

懐かしのこんなゲームも

昭和のゲームセンターや商店街にあったようなレトロなゲーム機も取りそろえている三条ベース。1プレイ10円や100円で遊ぶことができる。大人世代には懐かしいゲームも令和の子どもたちには新鮮で大人気なのだという

 


三条ベース

住所|新潟県三条市田島1-17-9[地図]
電話|0256-55-1165
時間|1階 駄菓子屋 平日15:00〜18:00、土・日曜・祝日11:00~18:00、2階 ZUPPE燕三条 平日11:00~15:00、土・日曜・祝日11:00~18:00
定休|不定休
https://nanobrand.co.jp/sanjobase/

 

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