私たちの人生は、誰かとつながることでより豊かになるというもの。
しかし新型ウイルス禍以降は「つながり」のありようが変化したように感じている人も多いのでは?
今回は三つのスポットのうち新潟県三条市にある複合施設「三条ベース」の自由で楽しい「つながり」のかたちを紹介します。
家でも学校でもない、子どもたちが主役の居場所
昭和生まれの世代なら、子どもの頃に行きつけの駄菓子屋があった人も多いだろう。「私は今24歳ですが、父が子どもの頃は近所に駄菓子屋さんがいくつもあったそうです。私が小さい時は1軒だけありましたが、そこも商売をやめてしまいました」と話すのは、三条ベース店長の高橋美羽(みう)さんだ。美羽さんの父で三条ベースの生みの親である高橋憲示さんは「子どもたちの居場所をつくりたい」とここをオープンした。
廃業したたんす金具の製造工場を買い取ってリノベーション。1階は駄菓子にゲーム、漫画を読める畳スペースもあり、子どもにとってパラダイスのような空間が広がる。やって来る子どもたちは小学生から高校生まで幅広い。店の前が自転車でいっぱいになるのもよくある光景だという。思い思いに放課後の時間を過ごす子どもたち。小学校が違う子同士が仲良くなり「そういえば名前知らないけど、ま、いーよね!」と笑い合う、何ともほほ笑ましいシーンもあるそうだ。
2階では古着、おもちゃ、食器などのリサイクル品を豊富に扱うが、値札は付いていない。「不用品を持ち込んでいただくとチケットをお渡しします。チケット1枚でどれでも5点好きなものを持ち帰ることができます」と美羽さん。不用品を持ち込んだ人の中には「子どもたちにあげて」とチケットを寄付する人も多く、子どもは基本的に自由に品物を持ち帰ることができる。
三条ベースが誕生しておよそ10年。進学や就職で地元を離れ、帰省の際に立ち寄る若者もいるという。「これからも変わらない場所として三条ベースを守っていきたいです。ここは大人のペースに合わせなくていい、子どもが主役の場所。大人になった人にとっては、子どもに戻れる場所なんです。いつでも『おかえり』と言って迎えてあげたいです」と話す美羽さんのまなざしは優しかった。
懐かしのこんなゲームも
三条ベース
住所|新潟県三条市田島1-17-9[地図]
電話|0256-55-1165
時間|1階 駄菓子屋 平日15:00〜18:00、土・日曜・祝日11:00~18:00、2階 ZUPPE燕三条 平日11:00~15:00、土・日曜・祝日11:00~18:00
定休|不定休
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