柔らかくて丈夫な亀田縞。先人たちの知恵と美意識が凝縮された、江戸時代発祥の洗練されたストライプに愛着が湧く。
大量生産される安価なものがあふれる現代において、職人の魂が宿る上質なものづくりが見直されている。繊維産業が盛んな新潟県内には、全国に誇る織物がたくさんある。1696(元禄9)年ごろに生産が開始された綿織物の亀田縞もその一つ。330年近い歴史を持つ伝統織物は、今も職人たちによって作り続けられている。亀田縞利用促進協議会会長としても活動する生産者の立川治秀さんは、「亀田縞は農民たちの野良着として使われていた歴史があり、水と泥に強く、洗うほどに風合いが増します」と教えてくれた。
立川織物(新潟市江南区)が製造する亀田縞の生地には、縞や生地、柄、加工の違いで300種類以上のバリエーションがある。表情豊かな生地を求め、若手ファッションデザイナーたちが工場併設のギャラリーに足を運ぶ。ギャラリーでは生地のサンプルを確認できるのはもちろん、洋服やエプロン、バッグなど、普段使いできるオリジナル製品が多数並び、買い物を楽しめる。「生地の販売もしているので手芸をされる方もよくいらっしゃいます。お好みの縞でエプロンやバッグを作ることもできるので、気軽にお越しください」
立川さんが手がける亀田縞製品は、地元の「カメダジマストア」(新潟市江南区)や「新潟ふるさと村アピール館」(新潟市西区)、新潟県長岡市摂田屋の「LIS(リス)」などで販売されている。まち巡りと合わせて地元の伝統織物を探してみよう。
展示販売のお知らせ
新潟市中央区の新潟日報メディアシップ1階「インフォメーションセンターえん」にて展示販売実施:2024年12月27日(金)~2025年2月25日(火)まで(予定)
立川 治秀さん
新潟市江南区(旧亀田町)出身。1884(明治17)年創業の立川織物6代目。伝統工芸品・亀田縞の製造・商品開発に力を入れる。亀田縞を国内外の人々に親しんでもらえるよう日々模索中。
立川織物
住所|新潟市江南区袋津3-1-52[地図]
電話|025-381-3067
営業|10:00~16:00
定休|土・日曜、祝日
インスタグラム|@kamedajima_tachikawa
オンラインショップ|https://kamedajima-tachikawa.com/