アウトドアの達人が、自然豊かな新潟県の楽しみ方を紹介するリレーコラム。今月は松之山温泉スキー場を運営する、有限会社 湯米心まつのやまの村山英明さんが雪上キャンプの楽しみ方をレクチャーします。
雪上キャンプは、寒い中でやるからこそ味わえる感動がたくさんあります。
焚火にあたりながら飲むコーヒーはいつもより美味しく感じるし、空気が澄んでいるから夜空の星はとてもキレイです。
装備を整えて、雪上キャンプをぜひお楽しみください。
お客様のひと言から冬のキャンプ場をスタート
越後妻有松之山温泉スノーパークは、スキー場でキャンプが楽しめる『冬のアウトドアフィールド』。
2021年より雪上キャンプ場をスタートしました。
弊社はグリーンシーズンに大厳寺高原キャンプ場の管理運営をしていますが、関東のお客様から「冬でもキャンプがしたい。松之山温泉スキー場でできないの?」という声があり、2018年冬に圧雪車(雪上車)でサイトを踏んで、テストキャンプを行いました。一晩で1メートルも降る雪の中でキャンプが出来るのか不安でしたが、テント内はストーブなどで暖かい快適空間。「これならやれる!」と開業しました。
スキー場なので圧雪車(雪上車)があり、雪の地ならしはお手の物。
今ではYouTuberさんらの発信もあり、多くの方にご利用いただいております。
驚いたのは同じ雪国の南魚沼市・上越市・柏崎市といった近隣のお客様も多いことでした。
雪上キャンプの魅力といえば、まずは、夏と違って虫がいないことと、汗をかかないことです。温暖化による夏の暑さで、昨今はキャンプ愛好者の中にも7~8月はオフ、過ごしやすい9月頃から活動を再開する人もいるそうです。
また、冬は空気が澄んでいるから星空もきれいで、焚火の温かさや料理がより美味しく感じられます。
そしてこの松之山温泉スキー場のキャンプサイトに限っていえば、駐車場や管理棟近くにあるので比較的安全に非日常と自然を体験できることですね。いざというときは車の中に避難することも出来ます。雪はたくさん降りますが、極端なマイナス気温にならない気候も魅力です。
キャンプサイトはスキー場の脇にあり、スキーやスノーボードの他、さまざまなスノーアクティビティも楽しめます。また車で5分で日本三大薬湯の松之山温泉に入ることもできるので、キャンパーさんからは「寒さが解凍されていく感覚を味わえる」と人気です。
雪上キャンプに関する注意事項
ここからは雪上キャンプを安全に楽しむための注意事項をお伝えします。
■自己装備、自己責任で
雪上キャンプに必要な装備は全て持参してください。また、安全は個人で確保し、自己責任での行動をお願いします。
■火の取扱い・一酸化炭素中毒に注意を
テントサイトでの火の利用は、必ず焚火台等を使用してください。火の始末は各自で責任を持って行い、火災等を起こさないよう注意してください。またテント内で火器の使用の際は、必ず「一酸化炭素中毒警報器」をご持参いただき、確実なご使用をお願いします。
■ゴミは全てお持ち帰りをお願いします
雪中・雪上に炭ゴミやその他のゴミを放置しないようにお願いします。
※焚火等の燃えカスのみ引き受けております。
■雪の創作物は元通りの自然な姿に
雪のリビングスペース(テーブルやイス)、スノーランタン、雪だるま等を作っていただいて構いませんが、お帰りの際は必ず元の状態に戻してください。
■こまめな除雪を
降雪状況をよく観察し、大雪の時は昼夜を問わず、1~2時間おきに雪かきやテントの状態確認を行い、安全を確保してください。大雪の時は特にこの行動が大切です。
※アイキャッチ photo:山田努
【プロフィール】
有限会社 湯米心まつのやま
村山英明さん
越後妻有大厳寺高原キャンプ場と越後妻有松之山温泉スノーパーク(松之山温泉スキー場)を管理運営。2018年にスノーピーク監修でリニューアルした大厳寺高原キャンプ場では、キャンプ&ウオーターアクティビティ(SUP・カヌー)を展開。松之山温泉スキー場では『長靴でも遊べるスキー場』をコンセプトにスノーアクティビティや雪上キャンプを行い、季節に応じたアウトドアアクティビティの楽しさを発信している。十日町市松之山温泉で仕事もプライベートも外遊びを楽しみながら暮らしている。