雪解けとともに顔を出す雪割草、8年の歳月を経て花開くカタクリ。
里山では、春を待ちわびた草花が順々に開花しています。
雪国植物園の楽しみ方について、園長の大原久治さんにお話を伺いました。
雪国植物園 園長 大原 久治(きゅうじ)さん
1934年生まれ、新潟県長岡市出身。1985年、雪国植物園の造園を開始。新潟県雪割草連合会を結成し、2008年に雪割草が「県の草花」に認定される。2024年、雪国植物園が環境省「自然共生サイト」に認定。故郷の里山を守るため活動を広げる。
地道に築いた植物園
里山の自然保護に尽力
昭和初期に生まれ、野山で遊びながら幼少期を過ごした、今年91歳を迎える雪国植物園の大原園長。自然に触れながら気付いたのは、「手入れが行き届いた山」と「荒廃した山」では育つ植物が違うということ。笹が生えているのは山が荒れている証拠、木を剪定(せんてい)しなければ落ち葉が増え、日差しが届かず花々が枯れるなど、図鑑にも載っていない情報を自らの足で収集してきた。「里山保護・保全のロールモデルをつくろう」と立ち上がったのは、今から40年前の1985年。大正時代に市民有志が「令終会」の名のもと悠久山公園(長岡市)を築いた例に倣い、「平成令終会」を結成。私財をなげうって造園し、96年に開園した。「11万坪の土地に、約850種類もの植物が伸び伸びと育っています。花々が持つ個性を感じながら、四季の移ろいをお楽しみください」
造園開始40周年を祝う記念イベントを開催!
雪国植物園の見どころは、四季折々に見頃を迎える植物にある。園内に外来植物や園芸植物はなく、古来から雪国の里山で群生する植物だけが育つように手入れを徹底してきた。春先に顔を見せる雪割草や雪椿、野生種の桜やツツジが次々と花開き、春の訪れを感じさせる。「当園はこの春で造園開始から40周年を迎えます。これを一つの区切りに、来園された皆さまが楽しめる企画をご用意しました。2026年春には開園30周年イベントも行う予定なので、こちらもお楽しみに」と大原園長。周年祭を機に、大原園長が40年間守り続けてきた植物園を訪れてみよう。美しい自然景観に、きっと心奪われるはずだ。

雪解けから3日ほどするときれいな花が開く雪割草。乱獲によって壊滅した自生地を目の当たりにし、保護活動を継続している
多種多様なツツジ&桜が見頃
4月中旬になると、鮮やかな紅紫色のユキグニミツバツツジや、愛らしいピンク色のオオヤマザクラが見頃を迎える。4月下旬に差し掛かるとヤマザクラやヤマツツジが花開き、品種によって開花シーズンが異なるから不思議。
造園開始40周年記念イベントを開催!
大原園長が、雪国植物園の造成第一歩を踏み出してから40年。これを記念して、4/18(金)は入園無料デーとし、地元のお土産販売を行うほか、園内散策ツアーや大原園長のトーク、桜茶の無料振る舞いなどを開催。詳細は公式サイトでチェック。
入園無料デー
4/18(金)
大原園長トーク
日時|4/18(金)・19(土) 9:20〜/13:10〜(各回30分)
会場|雪国植物園内 無料休憩処「やまぼうし」
雪国植物園
住所|新潟県長岡市宮本町3[地図]
電話|0258-46-0030(東口管理事務所)
時間|9:00~17:00(入場は~16:30)
開園期間|2025年度は~11/30(日)※期間中は無休。11/17(月)~30(日)は秋の無料開放
入園料|大人500円、学生(小中高校生)50円
HP|http://www.niks.or.jp/syokubut/index.html