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2025.05.06 life

ティータイムを特別なひとときにする器 kaya陶房の「絵付けの器」 / 新潟のすぐれもの

エリア

中越

陶芸家の温かい人柄がにじみ出る、花や動物の絵付け。普段使いにも、おもてなしにもちょうどいい鮮やかな食器が日々を彩る。

雄大な越後三山を望む絶好のロケーションに工房を構える「kaya陶房」(新潟県魚沼市)の駒形悦子さん。40年前に東京から移住。27年前に現在地へ窯を移した。「昔からスキーや登山が大好きで、雪国にほれちゃって。アルプスのような魚沼の景観がお気に入りです」と語る。にこやかな駒形さんだが、これまでの作陶は苦労の連続だった。淡い色合いが特徴の器は、桜やドングリの木の灰を使った釉薬(ゆうやく)から作られる。この自然灰釉薬は、微調整を繰り返しながら調合して作るため、理想の色合いを出すことが非常に難しい。長い年月をかけてようやく、自分らしい色を出せるようになってきたという。

来客時に重宝する絵付けの蓋(ふた)物(大)5,500円、(小)4,180円。砂糖やお菓子を入れるのにちょうどいいサイズ



駒形さんが難しい釉薬にあえて挑戦するようになった背景には、開窯(かいよう)から間もない頃に経験したヒマラヤ登山が影響している。「どんなに高い山も一歩ずつ歩み続ければ山頂に到達すると分かって。そこから、釉薬を作るのに2年ほどかかる青白磁にも挑戦するようになりました。亡くなる間際まで作品を作り続けたイギリスで活躍した陶芸家、ルーシー・リーさんのように、私も生涯作陶し続けたいです」

童話や自然から着想を得て描いた絵付けのマグカップ。淡い空色と「しのぎ」という技法で描くしま模様が印象的。各4,950円



「kaya陶房」の器は、シンプルで日常に寄り添うおうちごはんシリーズと、ティータイムが楽しくなるお茶の器シリーズでデザインを分けている。動植物が愛らしく描かれたお茶の器は、一つ一つ絵柄が異なる一点ものばかり。実際に手に取って、その繊細な絵柄を確認してみよう。

絵本から飛び出してきたような、かわいい動物たちの箸置き。ほのぼのとした表情で食卓をにぎやかにしてくれる。各2,200円

 


駒形 悦子さん
東京都出身。桑沢デザイン研究所(東京都)でデザインを学んだ後、愛知県瀬戸市の窯業訓練校で陶磁器の製造技術を習得。趣味の登山をきっかけに新潟県へ移住し、「kaya陶房(かやとうぼう)」を開窯。2023年秋に工房をリニューアル。

kaya陶房
住所|新潟県魚沼市青島2566[地図]
電話|090-1852-5579
時間|10:00~16:00 ※見学・来店前に要連絡
定休|不定休
インスタグラム|@kayatoubou

〈イベント出展〉
5/10(土)、11(日)「長岡クラフトフェア2025」
千秋が原ふるさとの森コミュニティ広場(長岡市)
6/21(土)、22(日)「第16回三条クラフトフェア」
槻の森運動公園内芝生広場(三条市)