車窓を流れる風景、車内でのイベント、駅でもらえる鉄印、現地で訪ねる名店など、列車の旅は乗っている間も、その前後もお楽しみがたっぷり。秋は旅行にぴったりのシーズン。ローカル線を使ってお出かけしてみませんか。
新潟・魚沼から福島・会津まで全長135kmの旅路。
週末や祝日限定のおもてなし企画もある人気秘境路線
JR只見線は車窓の風景が美しいことで知られ、「絶景続きの秘境路線」とも評されている。新潟県魚沼市の地域おこし協力隊員として「だんだんど〜も只見線沿線元気会議」という団体で活動している内山博明さんは、「田んぼに水が張られる春の水鏡、稲刈りの後のはざかけなど、季節ごとに表情を変える田園風景が素晴らしいですね」と話す。
また、今春より越後須原駅(魚沼市)を只見線沿線の観光拠点として活用するため、魚沼市が駅舎を借り、オープンスペースを設けた。内山さんは「週末を中心に私が滞在し、周辺のお薦めスポットなどを案内しているので、ぜひ気軽に立ち寄ってください」と呼びかけた。

只見線全線での運転再開1周年を記念して施された復刻塗装、通称「タラコ色」の車両が緑に映える
福島県の会津西部を流れる只見川沿いは天候によっては川霧が立ち込め、幻想的な風景を楽しめる。また土日祝日限定(1月1日を除く)で、会津柳津駅〜只見駅(一部会津柳津駅~会津川口駅)の区間では上下線ともに一部列車にて車窓からの見どころが車内アナウンスで紹介されるほか、一部列車では自治体による地元特産品の車内販売も行っているので、ぜひ利用してみよう。

春は田んぼの水鏡が、冬は一面の銀世界が広がる只見線の新潟県側沿線
七日町(なぬかまち)駅
■ 会津 長門屋 七日町店
会津若松市の老舗和菓子店、長門屋(ながとや)の「羊羹(ようかん)ファンタジア」は、切る度に絵柄が変わる斬新なようかん。切った断面ごとに月に向かって鳥が羽ばたく様子が表現されている。こしあんでクルミを包んだ「香木実(かぐのきのみ)」をはじめとした一口菓子も人気。

2年もの試作期間を経て完成した「羊羹ファンタジア Fly Me to The Moon」(3,500円)

築百年ほどの古民家を店舗として活用。周囲には明治・大正時代の風情ある建物が多く残る
住所|福島県会津若松市七日町3-30[地図]
電話|0242-29-7070
時間|9:30~17:30(冬季は~17:00)
定休|年末年始
■ 割烹 田季野
会津の郷土料理を味わえる「割烹 田季野(たきの)」。参勤交代で大名が宿として使っていた陣屋を移築した豪壮な店構えが特長だ。名物は曲げわっぱを使った「輪箱(わっぱ)飯」で、中でも会津の食材をたっぷり使った「五種輪箱(前菜・みそ汁・漬物付き2,420円)」がお薦め。
住所|福島県会津若松市栄町5-31[地図]
電話|0242-25-0808
時間|11:00~20:00(LO18:30)、日曜は~19:00(LO18:00)
定休|無休
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