
皆さま、いかがお過ごしですか?
2025年も9月に入り、もう年末が近づいてきていますね。
日本は例年通りまだまだ暑い日が続いているようですが、こちらパリは夏は完全に終わり、湿気のない過ごしやすい気温の日々が続いています。陽が落ちると少し肌寒いくらい。
明るいうちにセーヌ川のほとりに行って、ベンチに座って練習してるのがとても気持ちいいので、夕刻になると何日か連続して行ってました。
でももう少しでこの気候ともしばしのお別れです。
来週には帰国して、これから秋にかけて開催されるジャズ・フェスティバルや、恒例の東北ツアーなど、日本でのお楽しみが待っています。
今年の東北ツアーは、先日リリースした「TOKU & Niigata project」のリリース記念ツアーとして、合計6人のメンバーで各地を回ります。10/4 の秋田から始まり、盛岡、青森 (階上町)、そして仙台と、連日移動と本番の日々です。地元のミュージシャンとこの人数でツアーするのは初めてなのですごく楽しみ!
たくさん聞きに来てくれるといいなあ。。
9月は、これもまた恒例の博多のジャズ・フェスティバル、「Nakasu Jazz」に参戦します。
中洲が生の音で溢れる2日間は、街のあちこちにステージがあって、歩いていると音が聞こえてくるワクワクな空間になります。
そして、10月には鹿児島のジャズ・フェスティバル、「かごジャズ」に初参戦します。毎年オファーを受けていましたが今までずっとスケジュールが合わず、今年はヨーロッパの秋のイベントのオファーも落ち着いたので今年こそはという流れになりました。比較的若い世代のミュージシャンが一堂に会するフェスティバルで、1人のミュージシャンがその日に2, 3ヶ所で演奏するという慣例もあってこれもまた楽しみ。10/18, 19 の2日間は街中を会場から会場へと練り歩くミュージシャンの姿がたくさん見られると思います。
さて、先日初めて北マケドニア共和国に行ってきました。10年ほど前にニューヨークで知り合った友人が北マケドニアの出身で、当時彼が切り盛りしていたジャズ・クラブでありレストラン・バーで演奏したことが知り合ったきっかけでした。
彼とはしばらく話していませんでしたが、共通の友人が数年前までパリに住んでいて、その友人とたまに会ったりしてなんとなく彼の所在を知ってるくらいだったのです。
ところが、ある日また別の友人がなんと彼と北マケドニアで出会い、僕にツーショット写真を送ってくれたのです!
それを見て驚いていたら、なんとその数日後にその共通の友人とパリでランチをしていると、彼の話になり、その場で久しぶりにメッセージを送ったのがきっかけで彼が僕を正式に北マケドニアに呼んでくれた、というわけなのです。
彼に来いと言われてから実際に行くまでの期間はすでに1カ月を切っていました(笑)。この速さはなかなかのものです。
自分のスケジュール的にも行くのを決めかねる事態が発生していたのですが、それも無事に落ち着き今回の初訪問となったわけです。
パリから北マケドニアの首都・スコピエに飛び、空港でおよそ10年ぶりの再会を果たしてそのままライヴ会場へ向かいます。他のメンバーに出会い軽くサウンドチェック、リハーサルをしてペコペコのお腹を満たし、さあ彼と初めてのライヴ!ちなみに彼はアレキサンダーというドラマー。なんと彼がドラマーだということはこの何年もの間知らなかったのです!今回の初共演がきっかけで知りました(笑)。
夜の9:30くらいから演奏が始まるころには会場はたくさんの人で埋め尽くされていました。通りに面したオープンテラスでお喋りやドリンクを楽しむ人たちは自由に演奏を楽しんでいて、久しぶりのそんな雰囲気を楽しみながらの夜長。
たくさんの人に出会ったのもまた楽しかった。
国の治安とは別ですが、僕が出会った北マケドニアの人達はとにかくいい人ばかり。心があったかくて平和を愛するという感じです。ギリシャに行った時と同じ感覚を覚えました。ギリシャとはお隣さん同士ということもあると思いますが、歴史的に言えば北マケドニアはユーゴスラビアから1991年に独立したばかり。それまでの歴史もかなり複雑ですが、もともと平和な人たちが住んできた国だと聞きました。
文化的な行事もたくさん行われていて、伝統音楽や踊りなどをとても大切にしているという印象を受けました。
また音楽の分野にも国からの支援があり、これはとても羨ましい限りだなあと思いました。
北マケドニアには4日間滞在し、初日のライヴの次の日は、友人がヨーロッパ最古の、そして最大の湖・オフリド湖に連れて行ってくれました。とにかくその大きさ、そして水の綺麗さに驚きました。8月の最終週でみんな最後のバケーション・タイムを楽しんでいる感じ。気持ち良さそうに泳いでいる人もたくさんいました。
宿泊した建物のバルコニーから見る星空がもう、、たくさんの星、星、星! 星を見るのが大好きな僕にとって最高に幸せな時間でした。1時間があっという間に経ち、その夜は幸せな気分で眠りにつきました。
そうそう、湖に向かう前にお昼ご飯を食べたレストランのトマトと魚のスープの美味しかったこと!一生忘れられない味です。
次の日は起きてそのままビーチへ。楽器を持って行って軽く練習しながら景色を楽しみ、朝ごはんのベーグルとヨーグルト、そしてトマト!その後はスイカ!
午後になって暑くなってきたので泳いでみることに。海水ではないので身体は浮きませんが、久しぶりに気持ち良い水泳でした。
昼間に首都のスコピエに向かって出発し、夜はこれまた屋外の気持ちのいいレストラン・バーで演奏。初日と同じメンバーでライヴです。
その後で、夜中に旧市街でイベントがあるというので皆に着いて行ってみることに。一体何世紀に建てられたんだろう?って思うような建物の中でDJが爆音で音を鳴らし、若い世代が思い思いに楽しんでいました。帰り道1人で宿泊先に向かいながら深夜の旧市街を歩いて見た光景も良かったなあ。。
次の日の北マケドニア最終日はプリレップという街でのミュージック・フェスティバルでの演奏。
スコピエを出る前に、世界的な建築家の丹下健三さんが設計した郵便局を見に行ってみることに。その不思議なデザインに感動し、しかもスコピエの観光名所のひとつ、ストーン・ブリッジも見ることが出来ました。
プリレップはスコピエから2時間弱のドライブで着きます。街のコミュニティ・センターの隣の広場にステージを設営してまさに手作りイベントらしい雰囲気。サウンドチェック、リハーサルを終えて腹ごしらえをしに行くのですが、さながら打ち上げのような内容のご飯(笑)。なんとも美味しい食べ物を腹一杯に頂き、本番はごきげんな演奏が繰り広げられました。
帰り道クルマの中から見える星空がまた最高で、ずっと窓の外を見ながら帰ってきました。
道の両脇にはある箇所を除いて街灯がほとんどなく、それもあって星空が綺麗に見えるのです。
楽しく濃い北マケドニアでの4日間でした。
今週末は半年ぶりにイタリアのローマへ行きます。ステージのすぐ後ろにコロッセオが見えるこの屋外でのイベントは3年連続の出演になります。ローマは街中に歴史的建造物が剥き出しのままごろっと置いてあるイメージで、とにかくそのパワーに圧倒されます。
またバチカン市国があるのもここ。独特の雰囲気の中からこれまた強いパワーを感じます。
その前の日にはOrbetello(オルベテッロ)という街でのフェスティバルで演奏します。初めて行くところなので楽しみ!海に突き出た街の写真を見て素敵なんだろうなあとワクワクしています。
この時期のイタリアは暑いですがいろんなイベントがたくさんあります。イタリアもまた食べ物が美味しいところ、そしてエスプレッソに関してはさすがにイタリア、どこで飲んでも最高に美味しいのです!
というわけで今回も旅のお話をたくさんお伝えしました。
では皆さま、次回をお楽しみに!
Toku