発酵の力で体の中と外からアプローチ
みそや塩こうじ、酒かすに甘酒など、発酵食品を暮らしに取り入れることで腸から元気になろうと活動するNiigata腸活部。発酵プロフェッショナルの塚本美由貴さん(62)と、内臓調整療法師の松田えくみさん(51)が、新潟市を中心にワークショップを開き、おのおのの知識を持ち寄って互いに異なるアプローチで腸活を行う。
活動は、参加者を募ってワークショップを開き、みんなでみそを仕込んだり、豆板醤やキムチを作ったり。こうじを使った石けんや化粧水作りのほか、外部講師を招いて発酵について理解を深める講座も。
塚本さんは新潟市江南区で家業の「新し屋酒店」に携わる傍ら、日本発酵文化協会の講座に学び、発酵マイスター・発酵プロフェッショナルを取得。みそやしょうゆ、甘酒といった発酵食品を日常に取り入れる方法や発酵の魅力を伝える。
松田さんは新潟市中央区でサロン「コモンマロウ」を主宰。新潟市内の産婦人科クリニックで妊産婦の心身をケアするなど、セラピストとして経験を積んだ後、千葉県の整体師に師事し、手技による内臓調整療法を習得した。腸と脳が互いに影響し合うことから、整体や腸マッサージなどで主に体の外から心身をいたわるほか、身体的なアプローチだけでなく、メンタルケアにも取り組む。
主婦目線で気軽に 簡単でおいしいのが基本
腸活部は2021年に結成。きっかけは、共通の知人の紹介。それぞれ腸活の大切さを周囲に説いていたところ、「同じようなことを言っている人がいるよ」と引き合わされ、意気投合したという。
腸活部のモットーは「主婦目線で」「無理せず」「気軽に」取り入れられる取り組み。もともと料理がそれほど得意ではなかったという塚本さんだが、発酵調味料を使った料理が受講生に「おいしい」と好評だったことからのめり込んだ。
おすすめの活用法を問うと、次々に挙がる。肉を塩麹に漬けて冷凍しておけば忙しいときのストックに。半額になったお刺し身も、赤身にはしょうゆこうじを、白身には塩こうじを塗っておけばやわらかく。甘酒としょうゆを1対1で混ぜた調味料に鶏もも肉を漬けて焼けば照り焼きチキンに。
どれも主婦ならではのアイデアで、無理なく日常に取り入れられる。「せっかくいいものを伝えても難しくて作ってもらえなければもったいない。おいしくて時短で簡単、が基本」と塚本さんは笑顔で話す。
重視しているのは楽しむこと。みそを仕込むときは、子ども連れの参加者たちとにぎやかに作業する。「子どもたちが騒げるようにブルーシートを敷いて。みんなで楽しく作るときっと腸にもいいはず」
「大変そうだなと思うことも、2人だからできる。もっと勉強しようと刺激し合い、背中を押し合える存在」と2人は声をそろえる。松田さんは「腸内細菌は未知なものもまだ多い。今後もゆるく楽しく活動を続けて、みんなで分かち合っていけたらいい」と話した。
Niigata腸活部 塚本美由貴さん・松田えくみさん
【プロフィール】
つかもとみゆき 発酵プロフェッショナル・発酵マイスター(日本発酵文化協会)
まつだえくみ 内臓調整療法師・心理カウンセラー・自然療法師
2021年、Niigata腸活部結成。新潟市を中心にさまざまなワークショップを実施し、楽しく気軽に取り入れられる腸活を広めようと活動している。