皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
第8回のasshコラムです。
だんだんと冬らしくなってきましたね。
今年の日本は、残念ながら秋らしい時がまた短くなってしまったように感じます。
最初から悲しいお話をするつもりではないんですが、個人的には日本の秋という季節が大好きなので短く感じるのは残念だなあ、なんて思っています。
世界的に気候が変わっていっていますね。
いま現実に起こっているポールシフト(北極と南極が入れ替わる、一万五千年前後に一度起こる地球の活動) が原因かと思われますが、僕ら人間にはどうすることも出来ない大変な事。でも地球にとったら人間のくしゃみくらいの事だったりして。。
まあ考えても仕方ないのはわかっているんですが、だからこそ小さな事は気にせず自分のやるべきことだけをやり、人間として少しでも成長し、次の魂へできるだけいい状態で移る手助けをするのが1番なのかなあ、なんて思ったりします。
話が随分と飛躍してしまいましたが(笑)、
今年は9月の中旬から10月いっぱいを日本で過ごし、この時期に行われたフェスティバルやイベントに多数参加させていただきました。
そんなお話をしていこうと思います。
まずは、以前にも少し書きましたが毎年9月の中旬に行われる福岡市の「Nakasu Jazz」というフェスティバル。中洲という博多1番の繁華街の中にいくつかのステージが設けられ、2日間にわたってさまざまなミュージシャンが演奏を繰り広げます。
今年は2日間とも出演し、初日はHimiという若手アーティストとのステージに臨みました。
彼はなんとお父様が俳優の浅野忠信、そしてお母さんはCharaというサラブレッド。シンガーソングライターという位置付けですがジャズ・ミュージシャンとの共演も多い彼とは、去年の春に出会い、パリで曲を共作してレコーディング、そのシングルをリリースしてライヴで親交を深めてきました。僕が大好きなアーティストです。
そして、リズム・セクションにはこれまた僕もHimiも大好きなDavid Bryant (p)、Fuyu(ds)、そしてアメリカ、東京での活動を経て今は地元の福岡在住のSoshiくんと。
楽しくリハーサルを終え、鰻を食べに行ってから美味しいコーヒー屋さんに行き、ホテルに戻って本番前に少し休み、モチベーションは最高潮になりつつ出番の時間が近づいてきた時に、突然の大雨、そして雷! なんと僕たちの出番は中止となってしまいました。。
なんとも悔しい展開ですが、雷は機材にも影響するので決定打となってしまいました。しかも本番の予定時刻には雨もすっかり止んでしまい、あと2時間後に降ってくれていたら!とこれまた悔しい展開になってしまったのです。。メンバーそろって落胆しておりましたが、実行委員会さんが予定通り開いてくれた打ち上げに参加し、その後ジャムセッションの場で演奏し、心を満たすことができました。音楽に救われた時間です。また来年、同じメンバーでの参戦を誓って帰路につき、次の日に備えて就寝となりました。
2日目はキャナルシティの中にあるステージで、博多ローカルのミュージシャン達と「Tribute to Roy Ayers 」という内容で臨みました。前日と打って変わって快晴で暑い日になり、昼間にスタジオでみっちりとリハーサルし本番。吹き抜けの建物の1階にステージ、4階までお客様でぎっしり!フェスティバルらしい雰囲気の中で思いっきり演奏を楽しみました。
Roy Ayers という人は、60年代から活躍したヴァイヴラフォン・プレイヤーで、70年代には自身で歌も始めたくさんのヒット曲を生み出したアーティスト。僕のセカンド・アルバム「Bewitching」のレコーディングに参加して、3曲でその素晴らしいプレイを披露してくれた人でもあります。彼が来日する度、ライヴに遊びに行ってはステージに呼んでもらい飛び入り、一緒に音を出すのが本当に楽しかった!
その彼が惜しくも今年3月に他界してしまい、ロイのファンでもある博多ローカルのミュージシャンとトリビュートをしたというわけです。
彼の世界的ヒット曲、僕もよく本人と歌わせてもらった「Everybody Loves The Sunshine」を始め、彼の人気曲をたくさん聴衆に聞いてもらえたことは本当に嬉しかったです。
10月にはすごく嬉しいことがありました。このコラムの第2回に書いたパリのレコーディング・スタジオ、Krispy Records のオーナーのアントワンが日本に初めてやってきたのです。ちょうど彼のレコード会社の専属のカメラマンが日本を訪れているタイミングで、自分も休暇を取って行くと連絡があり、8月にパリの彼のスタジオに行った時に日本滞在中のプランを計画し、僕の10月の旅に一緒について行くということになったのです。
というわけで、彼にとっての初の来日紀行も含め書いていきましょう。
前回に書いた東北ツアーを終えてからまた福岡県に行き、柳川市にある三柱神社という大きな神社の200周年という記念のタイミングで行われた「御賑会Jazz」というイベントに参加しました。
日本が誇るヒットメーカー中西圭三さんと佐渡の和太鼓集団「鼓童」に在籍していた篠笛の狩野泰一さん、ピアニストの宮本貴奈ちゃんによるユニット「WA-OTO」のほか、長年の親友でもあるボーカリストのShihoとピアニストの渡辺翔太くんのデュオ、そして僕のクリスマス・アルバムにも参加してくれた大好きなピアニストのDavid Bryantとベーシストの小川晋平くんとのトリオが演奏し、地元の人たちが広い芝生のスペースに置かれたテーブルでゆったりと演奏を楽しんでいるという素敵なイベントでした。
本番前にはスタッフの方が柳川の名物でもある鰻のせいろ弁当を用意してくれて、パリから来たアントワンも「これは美味しいね!」と絶賛しておりました。彼はその好奇心旺盛な性格で日本では何でも食べてみようと思っているらしく、どこに行っても日本らしいものに積極的にトライしていました。
とくにお刺身は気に入って食べていましたね。
他にも焼き鳥、天ぷら、ラーメン、すき焼きはもちろん、納豆にもトライしていました。お味噌汁もとても気に入ったようで、定食タイプのものを好きになったようです。
福岡のあとは高知に移動し、知り合って15年以上になる高知出身のアーティスト、さかいゆうくんと2人で、僕にとって初めての高知での公式なライヴに臨みました。彼のアルバムのレコーディングに参加したことはありましたが、一緒にライヴをやるのは初めて。ライヴが決まってから何をやろうか曲のアイデアを何度も交換し、2人ともとても楽しみにしてきました。
彼が時々出演する高知市の「Sometime」というお店を紹介してくれて実現したライヴ、本当に楽しいライヴだったなあ!
終演後は彼の友人たちと、これぞ高知!というような料理をいただきに素敵なお店に行き、すべての料理に舌鼓を打ちながら自分の中で全国47都道府県制覇を祝い感無量でした。
次の日はゆうくんが僕とアントワンを高知トリップに連れて行ってくれました。四万十市で美味しい天然うなぎを堪能し、そこから足摺岬まで行って力強い太平洋の波しぶきを感じ、夜は高知市に戻って美味しいスペイン風料理店へ。
次の日の鹿児島への移動前にこれまた最高に美味しいカレー屋さんで高知の旅を締めくくりました。
10月の18, 19日の2日間は「鹿児島ジャズ・フェスティバル」に初参戦しました。
ここ数年オファーを頂いていましたが、なかなかスケジュールが合わず、ようやく今年の参戦となりました。第9回となる通称「かごジャズ」、日本でも数少ない無料のライヴ音楽イベントのひとつです。9回目ということもあり、どの会場もたくさんの地元の人で賑わっていました。街中の公園、ショッピングモール、また駐車場スペースがライヴ会場となり、ほぼ全員が東京からやって来たミュージシャン達も両日いろんな組み合わせでのステージを楽しみます。あくまでもバンド単位ではなく1ミュージシャンとして参加し、都内でも共演したことのないミュージシャン同士が鹿児島で共演するというのがこの「かごジャズ」の持ち味です。このアイデアはとてもいいと思いました。ここで起こる珍しい組み合わせのライヴを聞こうと遠方からもジャズ・ファンの方々がやってきます。素敵なことです。スタッフさん達の連携もスムーズで、皆さん生演奏を楽しみながら俊敏に動いてくれていました。
そしてこのフェスティバルの立役者、メイン・オーガナイザーは、松本圭使くん。鹿児島在住の素晴らしいピアニストでもあり、僕も何度か彼と共演したことがあります。当日は目まぐるしく会場と会場を行き来しながら自分の出番をこなすという神技をやっていた彼に感謝!
次回は、今年も参加した都内の無料ライヴ音楽イベントを紹介しようと思います。
そしてパリの冬の様子などもお伝えしますね。
Stay warm !
TOKU













