コーヒーを楽しむひとときは、ひと息つける特別な時間。自分でおいしく入れるこつや、こだわりのコーヒーを楽しめるカフェ、老舗の喫茶店などを紹介します。今よりちょっとコーヒーに詳しくなれば、お店で飲むのも家で飲むのも、もっと楽しくなりますよ。

昭和から続くレトロ喫茶でいただく極上コーヒー
舎鈴夢（シャレーム）【長岡市】

住宅街に立つ店舗の目印は、白い壁に大きく描かれたコーヒーカップだ。代表の渡辺善治さんは、1971（昭和46）年、新潟県長岡市東坂之上町に「アミアンコーヒー」をオープン（現在は寺島町へ移転）。８年後に姉妹店として開店したのが「舎鈴夢」だ。建物は開店当時のままで、これぞ昭和の喫茶店というレトロな雰囲気がたまらない。

エンジと茶色が基調の落ち着いた店内。右奥には焙煎室が見える

壁に描かれた大きなコーヒーカップがお店の目印

東京の名店で修業し、店を構えてからもおいしいコーヒーを求めてアメリカ、イタリア、ベトナムと世界各地を訪ね歩いた。看板メニューの「アミアンブレンド」は雑味のないすっきりとした味わいだ。

喫茶店黄金時代の昭和から現代まで長く続いているのは、常に独自のサービスを提供してきたから。ラテアートや自家製生パスタもいち早く取り入れた。銅板焼きのパンケーキにはホイップではなくココナツクリームを、焼きプリンには味付けにコーヒーを使うなど、渡辺さんのこだわりが光る。

「自家製焼きプリンとドリンクのセット」（950円）。コーヒーは一番人気の「アミアンブレンド」だ

サイフォンでコーヒーを入れる渡辺善治さん。厨房にも小型の焙煎機が置かれている

豆の計り売りも行っている。「ビターチョコレートのような甘み」「エスプレッソに最適」などそれぞれの特徴が書かれている

舎鈴夢
住所│新潟県長岡市藤沢1-8-14［地図］
電話│0258-27-4952
時間│9:00～19:00（モーニング9:00～11:00、ランチ11:00～14:00）　LOフード18:15、ドリンク18:30
　　　12/30（火）は〜16:00（LO15:00）　2026年1/3（土）は〜17:00（LO16:00）
定休│火曜（祝日の場合翌日）、12/31（水）〜2026年1/2（金）
https://www.amian.co.jp/syareimu/

謙信公ゆかりの地に立つ古民家でカプチーノを堪能
喫茶去（きっさこ）【上越市】

オープンは1999（平成11）年。築およそ130年の古民家の土間と台所を一つの大きな空間に改装し、解放感のある古民家カフェに生まれ変わらせた。店内を彩るアンティークグッズの数々は、マスターの小林律さんがオランダやベルギーなどヨーロッパを訪れた際に買い集めたもので、和の空間になじんでいる。

古民家を改装した店内。土間を石畳に変えたり、天井を取り払って梁（はり）を見せたりと、かつての雰囲気は残しつつ大規模な改装を行った

自慢のランプコレクションなどのアンティーク小物が、レトロムードを醸し出す

店があるのは、上杉謙信公が関東へ向かう際に一休みしたと伝わる辺り。そのご縁なのだろうか、上越市の謙信公祭で謙信公役を演じたGACKT（ガクト）さんが2013年にカプチーノを求めて突然来店。以来、カプチーノは「GACKTスペシャル」の名で提供している。

ブレンドコーヒーは酸味が控えめでこく深い味わい。マスターの好みで「やや濃いめ」なのが特徴だ。スイーツの人気メニューはフレンチトースト。食パンではなくフランスパンを使うことで、外はカリッ、中はふんわりやわらかい絶妙な一皿に仕上がっている。

「バニラアイスのフレンチトースト」（600円）と、「カプチーノGACKTスペシャル」（600円）。カプチーノはいまだにファンの人が訪れオーダーする人気メニューだ

マスターの小林律さんと妻のゆかりさん。「気軽に楽しんでほしいので、価格を抑えながらもおいしいものを提供するよう心掛けています」

店があるのは上杉謙信公が馬の鞍（くら）を下ろし休んだとされる、旧三和村の鞍馬（くらま）という地名だった場所

喫茶去
住所│新潟県上越市三和区山高津346［地図］
電話│025-532-2944
時間│11:00～17:30（18:00～22:00は完全予約制）
定休│月曜（祝日の場合は営業）、12/31（水）、2026年1/1（木）、他不定休
http://www.sanwa-kissako.com/