皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
14回目のassh コラムです。
まだ少し肌寒い日がやってくる4月でしたが、今月から暖かさが安定してきたように感じます。
4/10にパリから帰国してすぐに、今月発売する新しいアルバムのプロモーション取材をいくつか受けて、いよいよ6年ぶりの自分の新しいリリースが迫ってきたなという実感を得ました。
今月 5/13 のリリースです!
しばらくはCDのみでのリリースになります。
これにはいくつか理由がありますが、1番の理由はやはり物の実体を楽しんでもらうこと。
決してオーディオのみでの配信が良くないと言っているわけではありません。実際に、僕もそれを活用してまだ知らない世界中のあらゆるアーティストの音楽に触れることができています。
ですが、自分の手でそこにある物に触れ、CDの実体をしっかりと感じることは音楽の聞こえ方にも影響するのではないかと思うのです。
もうひとつ、アーティスト本人がこういうことを書くというのは、以前にはなかったことかもしれませんが、世界中で声をあげるアーティストもいるので僕も書いておこうと思います。
改めて、オーディオ配信を否定するわけではありませんが、その形での、中でもサブスクリプションによる音楽の配信は、そのアーティストがクリエイトする音楽の価値を著しく下げてしまうものでもあります。
少し考えたらわかることですよね。例えば1枚¥3,000という価値の付いたCDの中にはいろいろなものが含まれています。そのひとつが印税です。アーティストによる作曲や作詞、クリエイトするものに対する対価の部分です。1人のアーティストのひとつのアルバムの価格に対して、サブスクリプションは似たような値段の月額を払えば無数のアーティストの音楽を聞くことが出来てしまいます。
これは前述したようにいい面もあるんです。どちらがいいかということについては今やとても難しい問題です。いろんな考え方もあるでしょう。プロモーションを考えると、世界中の人に音楽を届けることが出来るでしょう。思いがけない人によって発掘され世界的にヒットする、なんて可能性もあります。またアナログでしか聞けなかった過去のレアな音源が手軽に聞けるようになり、それを懐かしみながら聞く人の心を癒やすこともあるでしょう。そしてそういった音楽が次の世代に受け継がれていくことにもなったりします。
とにもかくにも、インターネットは全てを変えました。人間が軍事のために作り上げたこの技術は、今や人々の生活にとって欠かせないものになりましたね。こう書くことすら必要がないほどに。
今書いているこの文章もインターネットによって皆さんの元に届くのです。すごい時代です。
新しい技術というものは、軍により戦争に使われるものとして開発されるのがほとんどです。そういう技術は僕らが一般的に使うようになる何年も前にすでに開発されているということです。全てが良い事のために開発されるわけではないんですよね。残念であり、悲しいことです。
ですがもう人々の生活にはなくてはならないもの、自分もその技術を使っている1人です。複雑な気持ちになることもありますが、それに依存し過ぎずに生活しているとは思います。
正直なところ、これから先の人々の生活にとってもなくてはならないものでしょう。しかし依存し過ぎるのははっきり言って危険です。人間はすでに大きく変わっています。すぐに欲しい物が手に入るようになると忍耐力はなくなります。そして小さい頃からスマホ依存になるとその世界しか見えなくなり、考えなくなります。イギリスのとある家庭で中学生の女の子が自分のiPadが見つからないというだけで親に対してキレている動画を見たことがあります。ピュアであるはずの子どもがここまで変わってしまうなんて恐ろしいと思いましたね。どういう経緯でそれが無くなったのかを考えようともしないんです。その子はどんな大人になるんでしょうね。。立派な人間になってもらいたいものです。そして、なんといっても親です!
しっかりして!と言いたくなる親が増えてるなあと感じます。ここを書き始めると他のことが一切書けなくなりそうなのでまたゆっくりと(笑)。
さて、前回少し書いたレコーディングの話です!
マイルス・デイビス生誕100周年の2026年、
まずはピアニストのGiovanni Mirabassi、このコラムにも登場したことのある僕の旧友ですね。そして、テナー・サックス奏者のRick Margitza、マイルスのバンドにいた人です。
ベーシストは普段はフランスの伝統的音楽であるジプシーを主に演奏するWilliam Brunard、そしてニューヨークからドラマーのColin Stranahanという顔ぶれ。Colinとはずいぶん前にKurt Rosenwinkel というギタリストのバンドで来日した時に東京で出会っていて、去年パリで再会しました。ちょうどGiovanniとのライヴのためにパリに来るタイミングでのレコーディングです。
Studio Sextan というスタジオは、エンジニアやIT関連のスクールの中にある、広いルームに素晴らしいピアノ、高い天井、響きもとても素敵なスタジオです。エンジニアやスタッフもナイスな若い人たちで、気持ちよくレコーディングは始まりました。
その日しかないレコーディング、予定の5曲を録ることができるか緊張するところでしたが、さすがは皆さん一流のミュージシャン達、次々と良いテイクが録れて、14時くらいから始まったレコーディングは途中休憩を挟みながらも19時頃には5曲を録り終えていました。収録中は、音に集中しながらもメンバーの出す音に耳を傾け、次々に繰り出されるレベルの高い演奏に刺激され、この状況にいられることに心から感謝しました。
僕が中心になり進めてきたプロジェクトであり、やろうという強い気持ちがあれば実現出来るんだということを改めて知った機会でもあります。とりあえず音を録っただけで、まだまだやらなければならないことは山ほどあります。
夏までにリリースできればと思います。
5/13 リリースの僕の新しいアルバム「Tributes」で取り上げたナンバーも収録されます。
ぜひともそれぞれのバージョンを聞き比べたりして楽しんでもらえたら嬉しいです。
日本では、まずは配信でのリリースで聞いてもらえることになるでしょう。
皆さんどうぞお楽しみに!
今回帰国してから最初のライヴは、大阪のビルボードでの僕の25周年記念的なライヴでした。
これは昨年末に東京で行った内容と基本的に同じです。大阪公演もやりたいと思っていましたが、ビルボードさんとのスケジュールが合わず、年が変わってからの公演となりました。
僕の旧友でもある大黒摩季さんがゲスト出演してくれて、とてもいい公演ができたと思います。
参加してくれた共演者たちは東京公演と同じくピアニストの宮川純くん、ベーシストの楠井五月くん、ドラマーの菅野知明くん、そしてギタリストの小沼ようすけくん。
ずっと一緒に音楽を作る仲間がいるのは幸せなことですね。先輩達の中には共演し始めて60年なんて方もいらっしゃいます。そこまで行ってみたいなあ!
仲間といえば、久しぶりにピアニストの秋田慎治くんと地元・新潟で共演しました。彼とは2001年の初めに出会い、すぐに僕のバンドに加入し( いや、加入させられ(笑))、それから6年間に渡り数々のライヴ、レコーディングで共演した仲で、そのあとも共演は続いています。この15年くらいはデュオでの共演がほとんど。
とにかく彼は音楽で自由になれる優れたミュージシャン。そこがなんといっても好きなのです。やはりずっとデュオ共演してきたギタリストの小沼くんと同じく、2人での演奏はいつも自由に、自然に、恐れることなく本番中でも共に冒険が出来る相手なのです。よく演奏する楽曲の一部をその場のインスピレーションでアレンジすることはよくあります。その2人の思惑が合致した時ほど幸せな瞬間はありません。お互いずっと笑ったまま演奏してます。今回も久しぶりにその感覚を楽しみながら演奏しました。
その次の日には、渋谷のBody&Soul でのライヴがありました。この日はなんと、およそ20年ぶりの共演となったドラマーの山木秀夫さんがメンバーとして参加してくれました。山木秀夫さんといえばジャンル問わず数多のアーティストのアルバム制作に参加された方です。皆さん知らないうちに耳にしているはずで、数えたらとんでもない枚数のアルバムに名前がクレジットされている人です。
僕の2006年のアルバム「A Brand New Beginning 」のレコーディングに参加していただき、リリース・ツアーにも参加していただきました。とにかく唯一無二のグルーヴの持ち主で、若いころは市川秀男さんというバリバリのジャズ・ピアニストのバンドで活躍した人でもあります。
この日はメンバーに小沼くんと楠井くんが参加、カルテットでの演奏でしたが、小沼くんも過去に自身のアルバムで山木さんとレコーディングの機会があり、彼もまた山木さんと久しぶりの共演となったのです。
楠井くんはその日に初対面の初共演。いろんな要素が混じった状況でのライヴはリハーサルから楽しすぎるくらいに笑い合いながら音を出すという理想的なムード。
そして本番、いやあ、山木さんワールドをたっぷりと堪能しました! まるで時空が歪むかというくらいにグググッと引き込まれながら、アメーバのように変化する音の中を進んでいく4人、それはまるでSF映画「インターステラー」のようでした。。いやあ、、もう言葉で表すと何を言ってるんだかという感じですね!(笑)
とにかくすごかったです!
そして、山木さんというドラマーに対する自分の演奏もずいぶんと変わったんだなあという感覚もしっかりとありました。あの頃とは明らかに違う、ある意味でいろんなことに対応できるようになった、成長した自分を感じることができたことは僕にとっては大きな収穫でした。
自分で書いておいて「成長」というのが果たして正しいかはわかりませんが、、(笑)
今月5月にはまたいろいろと楽しそうなことがたくさん待っています。
次回じっくりとお伝えしますね!
それでは、また。
お身体に気をつけて!
Peace,
TOKU









