アウトドアの達人が、自然豊かな新潟県の楽しみ方を紹介するリレーコラム。今月はWEST上越店(上越市)の小柳佳惟人さんがボルダリングとクライミングの楽しみ方をレクチャーします。
僕がクライミングに出会ったのは高校を卒業して専門学校へ入学した時でした。
当時はまだ歩く登山しかしていませんでしたが、「こんなアクティビティもあるのか」と驚愕したのと同時に、すごく興味をひかれた遊びの一つでもありました。
ボルダリングとクライミング、何が違う?
クライミングとは、自然の中にある岩を登るアクティビティです。
定義はあまりハッキリとはしていませんが、一般的には、高さ5m以下の岩を、地面にマットを敷いた上で登る遊びを「ボルダリング」と呼び、それよりも大きな岩を、パートナーとロープをつないで登る遊びを「ロープクライミング」と位置付けられています。
まずは僕が岩場に持っていくものをご紹介します。
ボルダリングであれば、手の汗を吸って滑りにくくしてくれる粉状のチョークのほか、シューズ、マットなどがあればチャレンジできます。
僕が持っていく物は四つです。
①チョークとチョークバッグ
②クライミングシューズ
③マット
④ブラシ
ロープクライミングには、ボルダリングで使うものにプラスして、自身につけるハーネスと呼ばれる器具にロープを結びます。
必要なのは、
①ハーネス
②ロープ
③クイックドロー(二つのカラビナをつないだもの)
④ビレイ(安全確保)をしてくれるパートナー
安全第一 まずは経験者と一緒に
まずは経験者と一緒に行うといいと思います。
ロープクライミングは「リード(下から支点を作りながら登っていくスタイル)」と、「トップロープ(終了点にあらかじめロープがかかっている状態)」の二つに分類されます。
トップロープは、経験者と一緒であれば安全に遊べる行為だと思います。
上の支点がしっかりしている事が前提ですが、ちょっとしたアトラクションで遊んでいる気分になります。
それに対して、外岩ボルダリングは1 人でも複数人でも遊べます。違った面白さがあります。
ボルダリングの魅力は、何回もトライして動きを考えて、ようやく登れた時の達成感や充実感です。
以前はまったく歯が立たなかったルートが登れるようになった時や、どうやったら登れるかを考え、トライし、思い描いた動きで登れた時は達成感をすごく感じます。とても気分が上がってきます。
また、同じ目的をもった仲間達とワイワイ楽しく遊ぶ時間もこのアクティビティの楽しみの一つです。
クライミングを通じて出会った仲間もいますし、岩場に行ったら友達に偶然出会うなんてことも。
そのまま成り行きで、麓にあるキャンプ場で一緒に夜まで喋って遊んだりもしました。
そんな人と人の輪をつなげてくれるアクティビティだなと感じています。
【プロフィール】
WEST上越店 小柳佳惟人さん
新潟県三条市出身。国際自然環境アウトドア専門学校卒業。登山ガイドステージⅡ 取得者。
高校生の時、北アルプス槍ヶ岳に登り、そこから本格的に山の魅力に目覚めた。現在では沢登り、クライミング、バックカントリーなどを含め、四季を通じて登山やアウトドア活動を楽しんでいる。