慌ただしく過ぎていく日常にも、ふと立ち止まって季節の移ろいを感じる時間を持ちたいですね。四季折々の花のすてきな飾り方を、Green & flower fuller(新潟市江南区)の平野保志さんに教えていただきます。
Seasons in Bloom――
朝晩の風が少しずつ涼しくなり、ふとした瞬間に秋の気配を感じる頃。花屋にも、季節の移ろいを知らせてくれる花が並び始めます。そのひとつが、秋の風に揺れる姿がよく似合う「コスモス」です。道端や野原で咲く姿にも馴染みがあり、見かけると「今年も秋が来たな」と感じる方も多いのではないでしょうか。
コスモスと聞くと、淡いピンクの花を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実は色や咲き方、花の大きさもさまざま。今回は、大輪で存在感のあるベルサイユや、花びらに縁取りが入るピコティなどを選びました。濃いピンクから淡い色、白地に縁取りのあるものまで、並べてみると同じコスモスでも一輪一輪に違った表情があります。
コスモスを飾る時は、あまりきれいに整えすぎないのが個人的にはオススメです。細い茎の曲がりや、それぞれ違う方向を向く花、繊細な葉の動きもコスモスの魅力。今回は丁字草、ワレモコウ、フジバカマなど秋の草花を合わせ、野原の一部分をそのまま切り取ってきたようなイメージで花瓶に生けました。少し不揃いなくらいの方が、自然な秋の空気を感じさせてくれます。
ブーケにはリンドウや丁字草、パニカム、ケイトウ、ワックスフラワーなどを合わせました。可憐なコスモスに秋らしい色や草花を重ねることで、季節感を出しながら少し大人っぽい雰囲気にしました。合わせる草花によって表情が変わるのも、コスモスの楽しいところです。
繊細に見えるコスモスですが、ちょっとしたお手入れで長く楽しめます。水に浸かる葉を取り除き、花瓶の水はこまめに交換しましょう。水替えの時に茎先を少し切り戻してあげるのもおすすめです。葉が多い場合は、コスモスらしい軽やかさを残しながら少し整理してあげましょう。
また飾る花瓶にもよりますが長さのあるコスモスは茎を短く切ってあげる事によって余計な力を使わずグッと長持ちしますよ。
そして、ちょっとしたコツですが。なかなか開かない蕾は、指先でやさしく揉むようにほぐしてあげると、開花を後押しできることがあります。強く触らず、本当にやさしくがポイントです。
花だけでなく、細い茎や葉、そして花と花の間にできる余白まで美しいコスモス。きっちり飾ろうとせず、その自然な姿のまま、秋の風景を少しだけお部屋に連れて帰るような気持ちで楽しんでみてはいかがでしょうか。
【使用花材】
花瓶・・・コスモス、丁字草、ワレモコウ、フジバカマ
ブーケ・・・コスモス、リンドウ、丁字草、パニカム、ケイトウ、ワックスフラワー
Green & flower fuller 店主 平野 保志さん
新潟市出身。アパレル業界で長く勤めた後、「自分で商売をしたい」と帰郷。花屋での修業を経て、2010年に新潟市江南区に「Green & flower fuller」をオープン。若い頃はプロを目指したバンドマンで、今も音楽鑑賞が趣味。
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