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2024.10.16 activity

新潟が世界に誇る「アウトドア」と「夕日」

エリア

上越中越下越/佐渡

アウトドアの達人が、自然豊かな新潟県の楽しみ方を紹介するリレーコラム。今月は株式会社スノーピークの大石 祐助さんが「夕日」と「アウトドア」の楽しみ方をレクチャーします。


なぜ新潟でキャンプをするのか。
仲間と旨い酒を呑むため? いいえ、違います。
最高に美味しいキャンプ飯を作るため? いいえ、違います。
家族との思い出を増やすため? いいえ、違います。

私が新潟でキャンプをする理由、それは『夕日を拝むため』です。
朝日一筋だった私を紅く染め、夕日一筋へ改心させたのが、「新潟の夕空」でした。

キャンプといえば朝焼けと共に嗜むコーヒーだろう? と強く信じる朝日一筋だった人間を一転させてしまうほど破壊力を誇るのが、新潟の夕日なのです。

実は私は、新潟に移り住む前は、アフリカのルワンダという国で働いていました。
加えて、生まれも育ちも神奈川県で、日本海に沈む太陽を拝める機会に恵まれない、なんとも数奇な人生を歩んでまいりました。

ルワンダから帰国してすぐスノーピークで働かせて頂けることになり、まず驚愕したのが、本社屋から望むマジックアワーでした。一日中精いっぱい働いた後に、こんなご褒美が待っているとは。ええ、もう給料なんてものはいりません。思わずそう口走ってしまいかねないほどなのです。

社屋横のキャンプ場で同僚たちと雪中キャンプ

そんな私が配属されたプロモーション課という部署は、日本全国でキャンプイベントを行うアウトドアの精鋭部隊でした。野遊びの猛者たちに追いつくべく、プライベートでのキャンプもかなり増やし、更なるスキルアップを目指しました。

そして、新潟で初めてのキャンプに選んだのが、柏崎市でした。
日中は穏やかな日本海を眺め、優雅にソロキャンを満喫していました。

迎えた夕刻。
イッツゴージャス。神奈川の湘南海岸でもルワンダのミュアジ湖でも、ここまで美しい夕日を見たことはありませんでした。以来、日本海に沈む夕日の虜になってしまいました。

新潟での初めてのソロキャンプで訪れた柏崎

極めつけだったのが、村上市のキャンプ場。
その時はまだ正午前だったでしょうか。テントを張るために車からフィールドに降りた瞬間でした。

きらきらゆらぐ七色の青。
燦々とふりそそぐ陽光が水面でリフレインし、YUIさんの楽曲『SUMMER SONG』が脳内を自動再生。
息呑む絶景を前にキャンプ場近郊の漁港で手に入れたのどくろを炭火で炙り、キンキンに冷えた地ビールで流し込む真っ昼間。ここは天国か。

幾重もの青に彩られた日本海をひとりじめ

岩船港で買ったノドグロをエチゴビールで

そして、段々とその時が近づいてきます。夕暮れです。
時間の経過と共に、空の青と太陽の赤が溶け合い妖艶さをまとった紫が広がっていく。まさに魔法がかけられた夕空。
日本一と言っても過言ではない瀬波の夕日を眺めながら、何度もビールを流し込む。唇をつたい、喉から身体の内側へと流れ込んでくる冷たい感覚だけを、ただただ感じていました。

瀬波の日本一の夕日

思わず母ちゃんに送った夕空

そうだ、神奈川に住む母ちゃんに写真を送ってあげよ。そう思いスマホを手に取るほど筆舌に尽くしがたい景色でした。
かくして、夕日一筋人間が誕生し、新潟大好き一派になったのでありました。
ぜひ皆さまも新潟が世界に誇る「夕日」と「アウトドア」を楽しんでみてください。


【プロフィール】

株式会社スノーピーク
大石 祐助さん

道の駅で店長を務めた後、JICA海外協力隊でルワンダに派遣。帰国後、株式会社スノーピークに入社。日本全国でのキャンプイベントの企画・運営をしています。