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2024.11.03 life

【特集】本と過ごす秋 / 私が読書を好きな理由

新潟市江南区でカレー店を経営しながら、年間150冊以上の本を読む、読書インフルエンサーの大島梢絵さん。読書好きになったきっかけや、大島さん流の本の選び方について教えていただきました。本を読みたくなる言葉の数々は必見です。

大島梢絵さん
埼玉県出身。都内広告会社、UX新潟テレビ21アナウンサーなどを経て、2020年に「カレーとごまどうふの店 石本商店」(新潟市江南区)を夫婦でオープン。2022年からSNSで読書記録を発信し始め、「本好きの会」も主催する。
インスタグラム|@kozue__oshima


本屋は人生の駆け込み寺

読書インフルエンサーとして人々に影響を与える一方で、「もともとは、本を読むタイプでは全くありませんでした」と話す大島梢絵さん。本を読むようになったきっかけは、初めての一人暮らしにあった。「社会人になって地元を離れたら、気軽に相談できる友人がいなくなって。駆け込んだのが本屋さんでした」。スマートフォンで日常的にwebマガジンやコラムを読んでいた大島さんにとって、「助言をくれる存在」となったのが本。当初は女性向けのライトエッセーや自己啓発本を好んでいたものの、読めても年間2〜3冊ほど。読書量が格段に増えたのは、在宅時間が増えた新型ウイルス禍の頃だった。「読書って、実はとても体力を使う作業。緊張感がなければ続かないと思い、インスタグラムで読んだ本を紹介する『毎日読書チャレンジ』を始めました。そこからは、新しい知識や考え方、物事との出合いの連続でした」

海外旅行を機に、洋書にも挑戦し始めた大島さん。「日本人とは違う感性に引き込まれます。これを機に語学力を上げたいです」

「推しの読書家」を探そう

テーマで選ぶ、装丁で選ぶ、キャッチコピーが気になったものを読んでみる―。本の探し方は人それぞれにある。著書『読書は鼻歌くらいでちょうどいい』で、読みたい本の見つけ方を紹介している大島さんに「本を読むことに抵抗がある人は何から始めるべきか」を聞いてみると、驚きの答えが返ってきた。「まずは、推しの読書家さんを見つけてみてください。インスタグラムで写真の雰囲気や読後の感想で気になった人のまねをしてみる。そこから、自分の視野を広げられることがあります。仲の良い友人に面白かった本を聞いてみるのも、当たりが多いのでお勧めです」

自身も本にまつわる投稿をする時は、「#読書記録」や「#読書日記」といったハッシュタグを付けて投稿している大島さん。さまざまな人の読書記録が、新しい世界の扉を開いてくれるというから面白い。

人生を彩る読書

スマートフォンの代わりに本を手にするようになった大島さんにとって、一番の変化は「自分の知らない知識や経験、新しい感性に触れる機会が増えたこと」。これまで苦手意識が強かった小説を読むことにも慣れ、作家の個性を感じながら読み進めることが今では楽しくて仕方がないようだ。「ある時、スマホをいじってばかりの日常に疲れてしまって。スマホから距離を置いて、デジタルデトックスをしたいという思いもありました。本には自分が体験したことのない情報が詰まっていて、人生を豊かにしてくれる。私は本を読むようになって人生が変わりました。読書の素晴らしさを、たくさんの人に広めていきたいです」

2023年1月からは、オンライン上で知り合った読書好きが集まる「本好きの会」を自身の店で定期的に開催。本を通じてさまざまな世界と出合う楽しさを大島さんは教えてくれる。

ご夫婦で切り盛りするカレー店にも本がたくさん。大島さんは「このお店が本と出合うきっかけになったらうれしいです」と笑顔で語る

読書好きになる一冊

『読書は鼻歌くらいでちょうどいい』
2024年5月発売
著/大島梢絵
出版社/辰巳出版
価格/1,540円



大島さん初の著書となる読書エッセーが、ことし5月に発売。以前は「読書って頭の良い人の趣味でしょ?」とさえ感じていたという大島さんがたどり着いた、本を読まない人にこそ伝えたい「読書の楽しみ方」が凝縮されている。発売後、即重版が決まった注目の一冊は、全国の書店、Amazon、「カレーとごまどうふの店 石本商店」で販売中。

 

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