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2025.04.06 visit

【特集】新潟・十日町で着物体験/工場見学 十日町織物ができるまで

エリア

中越

春の十日町は着物に関するイベントがめじろ押し。
十日町の織物は、雪国だからこそ生まれ、人々の情熱で受け継がれてきた宝物です。
全国でもまれな産地といわれる十日町。
その理由を探りに、着物のまちを訪れてみませんか。


どの工程も手技が光る
織物と友禅染め

新潟県十日町の織物がどのように作られているのか。工場見学させていただいたのは、織りと染めの両方を手掛けている吉澤織物。現在では伝統的工芸品指定を受けている十日町明石ちぢみを、明治30(1897)年の創業以来作り続けているメーカーだ。

織物は明石ちぢみのほか、さまざまな種類の紬(つむぎ)を手掛けている。織物の製作工程のほとんどを占めるのは糸の準備。生糸に撚(よ)りをかけて必要な太さにした糸を図案に合わせて染色し、柄がずれないようにセット。そうして行う機(はた)織りは、ほぼ最終工程の段階だ。

[織物]

昭和30年代に造られた織機が今も現役。ちぢみや紬を織り上げている

経(たて)糸と緯(よこ)糸を組み合わせて模様ができるよう、緻密に染色された糸

友禅染は型で染める型友禅と、手で色を挿していく手描き友禅がある。図柄を考案し、配色を決めると、型染の場合は型紙を彫刻。多いものでは一反に500枚もの型紙を使う。色が混ざらないよう模様の境目に輪郭を置く糸目糊(いとめのり)を付けた後、型紙を置いて一色ずつ染めていく。模様部分に色糊をのせたら、地染めをする引染(ひきぞめ)工程へ。濃い色ほど染めるのが難しいそうだ。着色を終えると蒸して定着させ、水洗いをする。その後、金箔(きんぱく)や刺しゅうを施して反物(たんもの)の完成となる。

数多くの工程を経て、熟練の手仕事により生み出される十日町の織物。5月開催の十日町きものGOTTAKU(ごったく)では、吉澤織物をはじめ市内10社の工場見学をすることができる。

[友禅染め]

模様の色が混ざらないための糸目糊置きの作業。洗って糊を落とすと白い輪郭になる

染めむらを防ぐため、引染(地染め)の前に行う地入れ。ふのりなどと水を混ぜたものを刷毛(はけ)で塗っていく

引染は繊細な工程で、工房内を一定の温度・湿度、無風に保った状態で行われる

水洗いする、いわゆる友禅流し。糊が落ちると鮮やかな柄が浮かび上がる

手描きの様子。濃淡やぼかしの表現など繊細な技術が必要。華やかなものでは100色以上を使うことも

吉澤織物 昭和町工場
住所|新潟県十日町市昭和町1-73-1[地図]
電話|025-752-4530


十日町きものGOTTAKU
◆期間/5/22(木)~24(土)、5/29(木)~31(土)
◆時間/1日2回工場見学実施
 10:00~11:30、14:00~15:30
 (※開催日時は参加企業により異なる)
◆会場/参加企業10社(※申し込みサイトで確認を)
◆料金/無料
※事前予約制 申し込みサイトから予約が必要
https://www.kimono-gottaku.jp/
◆問い合わせ/十日町市産業政策課 025-757-3139

 

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