「佐渡島(さど)の金山」の世界遺産登録1周年を機に、今年11月、ボランティアなどの社会貢献と観光を組み合わせたツアーが開催されました。“世界の宝”としての価値を守り、活用していく新たな取り組みの様子をお届けします。
深く学び、肌で感じた
佐渡の文化と世界的価値
「『佐渡島の金山』ボランティアツーリズム」と名付けられたこのツアーは、「佐渡島の金山」の世界遺産としての価値を未来に継承していくための取り組みの一つとして、今年初めて開催。11/1(土)~2(日)の2日間、新潟県内外の20~70代の19名が参加し、実施された。ツアーは「佐渡金銀山ガイダンス施設 きらりうむ佐渡」「史跡 佐渡金山」などでの解説付き施設見学に加え、佐渡金山とゆかりのある地元住民の講話や体験活動などで構成された。1日目はきらりうむ佐渡の見学のほか、世界遺産の構成資産の一つ「西三川砂金山」の保全活動などについて、地元笹川集落の住民で構成する「笹川の景観を守る会」会長である金子一雄さんの講話に耳を傾けた。

「佐渡奉行所跡」でスタッフから説明を受ける参加者たち。当時の奉行所を復元した施設で、貴重な出土品や資料などを見学した
2日目は樹脂粘土を使った小判作り体験や、「地域おこし協力隊」の伊藤幹太さんから佐渡での活動やSNSの発信について話を聞いた。また、「春日鬼組」会長の齋藤博文さんからは佐渡の地域芸能「鬼太鼓」の伝承の実情や課題が語られ、参加者からは「地元の祭りでも年々集まる人が減少しており、共通の課題だと感じた。芸能を通じた外部との交流は参考になった」との声も出た。いずれの講演も熱心にメモを取りながら真剣に耳を傾け、多くの質問が飛び交うなど、参加者一人一人が佐渡の“今”に向き合う姿が見られた。講演の最後には特別に鬼太鼓の演舞の一部も披露され、参加者にとって佐渡の文化を肌で感じられる貴重な機会となったようだ。

目の前で披露される鬼太鼓の演舞に見入る参加者たち
“世界の宝”「佐渡島の金山」を
未来へ継承していくために
主催した「佐渡島の金山」保存活用実行委員会では、ツアーを通じて得られた意見や情報をもとに、世界遺産としての価値を守り、生かすことで将来世代に継承するための取り組みを続けていく。
地元・佐渡市をはじめ、県内外の多くの人による四半世紀にわたる支援で実現した「佐渡島の金山」の世界遺産登録。世界遺産を守ることは佐渡市、ひいては新潟県全体の持続可能な発展につながると考えられることから、調査研究、情報発信、保全活動などを応援する「佐渡島の金山」保存活用推進ネットワーク会員(サポーター)も募集中。一人一人の思いがこれからも“世界の宝”「佐渡島の金山」を守り続けていく原動力になる。

講演では積極的な意見交換や質問が行われ、参加者同士で気付きを得る様子も見られた

黄色やオレンジに色付いた秋らしい姿の「道遊の割戸」を背景に記念撮影。県内外から参加者が集まり「佐渡島の金山」について学びを深めた
「佐渡島の金山」保存活用ネットワーク会員(サポーター)募集中!
「佐渡島の金山」を将来世代に引き継ぐ活動にご協力お願いします。講演会や環境美化活動などの情報を提供しています。
※入会や活動にあたっての会費負担はありません
https://www.sado-goldmine.jp/information/joinus/
ツアー参加者の声
・『普段の生活で触れられない文化や生活を体験することができて勉強になった』
・『佐渡を盛り上げたいと思っている方々の気持ちが伝わり、佐渡への興味が深まった』
・『家族を連れて、また佐渡に来たい』
「佐渡島の金山」保存活用実行委員会(事務局:新潟県観光文化スポーツ部文化課世界遺産室)
住所|新潟県新潟市中央区新光町4-1[地図]
電話|025-280-5726
「佐渡島の金山」HP|https://www.sado-goldmine.jp



