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2025.05.12 special

パリで生まれたラブソング 創造へのスピード、パワーに敬服

シリーズ

TOKUのMUSIC LIFE

皆さん、いかがお過ごしですか?
TOKU です。
先月から始まった僕のコラム、第2回目です。

初回は自己紹介も兼ねて僕のこれまでの音楽人生について書きましたが、今回からは皆さんと僕が今まで旅してきた所へお連れできたらと思っています。ぜひ一緒に旅をしている気分になってくれたら嬉しいです。  

夕暮れ時のパリの風景

さて、ミュージシャンというと普段どんな生活をしているのか不思議に思う方も少なくないと思います。世の中にはいろんなタイプのミュージシャンがいます。たぶん皆さんが1番耳にするのはJ-popでしょうか?僕の友人にもたくさんJ-popのミュージシャンがいます。ジャズ・ミュージシャンとJ-pop ミュージシャンはあまり交流がないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これはその人がどういう音楽を聞いてミュージシャンになったかにもよりますが、僕は父親の影響で様々なジャンルの音楽を聞いて育ったのであまりジャンルの垣根は感じていなく、個性的なミュージシャンであればジャンル問わずコラボしてみたいと思うスタンスなのです。そんなわけで今までさまざまなジャンルのミュージシャン達と音楽を作ってきました。

話がそれてしまいましたが、ジャズミュージシャン達はライヴが主な現場です。これは世界共通のこと。なので、昼間はプライベートな用事をしたり、創作活動をしたり、練習をしたり、後進の指導にあたる人もいます。

そして、夕刻からその日の現場、演奏会場に向かいます。それもまた共演する人によってさまざまです。1番多いのはやはりジャズクラブといわれるお店でしょう。ジャズを中心に、毎夜クリエイティブな音楽が繰り広げられるところで、世界中にあります。欧米のそれぞれの国の首都には必ずと言っていいほど存在し、50年以上の歴史あるお店もあります。

何かとアメリカの影響が強い日本人にとって知られているのはニューヨークでしょうか。僕も何度も訪れたことがある大好きなところで、世界中の強者が集まる、最高に刺激的なところです。

世界的に見たら東京もすごいところです。優秀なミュージシャンは本当にたくさんいるし、世界中から著名なミュージシャン達が演奏に訪れるところでもあります。

僕が拠点を置くパリもまたジャズが盛んなところ。1940年代にアメリカからジャズが入ってきてから、フランスの伝統音楽と交わりながら独特のサウンドが生まれ続けているところです。

パリ市内の教会

フランスの伝統音楽には、シャンソン、マヌーシュ、そしてフランス領のアフリカ大陸にある国々からはその国の伝統音楽も入ってきて、実にいろんな音楽が聞かれます。そしてもちろん人種もさまざま、考え方もさまざま。いろんな人がいます。

簡単に言うと、日本とは全てが逆、というのが1番いい表現かもしれません。それを楽しめるかどうかは人によると思いますが、僕は最高に楽しんでいます(笑)。

日本と逆なので、想像以上のことが起こります。予想を超えてくる出来事が多いこと多いこと。さすがパリだなあ、などと思ってしまいます。もちろん楽ではありません。と思えば、とても素敵なことも起こります。

実際に去年あったことですが、InstagramというSNSのツールはミュージシャン達にとって世界中のいろんな存在を知る機会、またそういった人と繋がるものでもあります。

パリに住み始めて数カ月経ったころ、パリのレコード会社、Krispy Records というところをInstagramで見つけます。いろんな優れたミュージシャン達の演奏風景をアップしていて、このレコード会社のアカウントをフォローし始めたのです。それから1週間も経たないうちに、レコード会社のオーナーから僕にメッセージが届いたのです。何か一緒に出来ないかというメッセージでした。僕は自分がいいなと思ってフォローしたところからのオファーでとても嬉しくて、是非!とすぐに返信しました。

その時はちょうどモーリシャスからケープタウンまでのクルーズでの演奏旅行に出かけたばかりで、次にパリに戻った時に会おうということになり、6月の初めにオーナーに会いました。

その時に日本ですでに決定していた公演のひとつに、Himiというアーティストとのライヴがありました。彼は父親が俳優の浅野忠信、母親はミュージシャンのChara というサラブレッドで、六本木にある「エレクトリック神社」というミュージシャン達が集まるBarの周年記念イベントで出会いました。すでに自分の雰囲気を持って演奏していた彼に興味を持ち、それから2年後のコラボとなったのです。せっかくだから曲を書こうという話をしていて、そこで思いついたのが先ほどのKrispy Records でした。

Krispy Records のオーナー、Antoine と

オーナーはAntoine という若き青年で、素晴らしい感性の持ち主。そしてレコーディング・エンジニアでもあります。僕とHimiがこれから書くオリジナル楽曲をレコーディングするという話を、Antoine が気に入ってくれると確信し、彼に話したところ、是非やろうと言ってくれて、Himiがパリに来られるタイミングの去年7月にKrispy Recordsのスタジオでのレコーディングとビデオ撮りを行うことができたのです。こういう話がスッと進むスピードはパリならではだと思います。そして、興味があれば積極的にアプローチし実際に何かをクリエイトするパワーは日本よりも早いかもしれません。

レコーディング後の記念撮影から。右から2人目がHimi

そんな流れで出来たこのビデオ、観てみてくださいね!僕とHimiがパリで作曲したポップなラヴソングです。 

TOKU feat.HIMI “YOU”  Live at Krispy House
https://youtu.be/ELWox-Jsfpk?si=4hdQ_4rWQa7H5be9

 また来月のコラムをお楽しみに!

 TOKU