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これからを楽しむ私になれるアクティブマガジン

2026.08.27 activity

スマホを置いて海へ山へ 飽きることのない大自然

エリア

新潟市

アウトドアの達人が、自然豊かな新潟県の楽しみ方を紹介するリレーコラム。今月は新潟市秋葉区でカヤック用パドル「ボニートパドル」の制作を手がける石津寛さんが、新潟でのアウトドアの楽しみ方を紹介します。


Wi-Fiの届かない贅沢

早起きしてカヤックを海へ浮かべるころ、水平線から陽が昇ります。
限りなく透明に近いブルーな空気の中では、呼吸がゆっくりと深くなり、自然の一部になったように感じられます。

岸を離れると意識も遠く離れ、小さな舟でぽつんとフローのひとときを過ごします。
目的はフィッシングなので、魚が掛かると急に現実に引き戻されますが、幸か不幸かそのまま海を眺めて終わる日もあります。

新潟は海岸線が長く、空や雲、風を見ながら海へ出るたびにまったく違う表情を見せてくれます。

同じ海でも、昨日と今日、午前と午後ではまるで別の表情です。それが、何度通っても飽きない理由かもしれません。 そんな一期一会のトランシーな体験も大きな魅力ですね。

私は新潟で2021年からカヤックのパドル(ボニートパドル)を製作しています。
フィッシングカヤックで海へ出ると、「もっと軽くて、自分が使いたいパドルを作ってみたい 」という思いがありました。学生時代の友人がパドル製作をしていた縁もあり、遊びに行ったつもりがそのうち一緒に作るようになっていました。


また、新潟は海で遊び、道具を作る私にとって最高のフィールドでした。
海況の判断や漕ぎ方、釣りの楽しさを教えてくれた方々。イベントで出会った仲間や、地域のアウトドアコミュニティとのつながりは、今も私の財産です。

パドルの作り方も、漕ぎ方も、販売の方法も何も分からない迷子のようなスタートでしたが、私自身も新潟の皆さんに育ててもらったように思います。

現在では北海道から愛媛県まで10店舗を超える販売店で取り扱っていただき、全国の方々にも使っていただけるようになりました。

暮らしそのものが「アウトドア」

私にとって海へ出る日だけが自然を感じる時間ではありません。
春には新緑や桜、秋には紅葉、冬には雪景色の中で深呼吸すると心身がクリアになり、次の一歩がとても軽くなります。

私は新潟市秋葉区で生まれ育ちました。自身も、子育ても、地元秋葉山のトリムコースから始まり、菩提寺山、菅名岳、宝珠山などを身近なフィールドとしていました。

その後新潟を離れてもそんな生活は続き、自然の中に身を置いた経験が今につながっていると感じます。
現在は自宅で薪ストーブを使い、ジムへ行く代わりに薪を割っています。冬になるとそれが炎になって返ってきます。

畑やガーデニングでは、雑草との戦いもありますが、それもまた自然です。海へ出る日も、山を歩く日も、薪を割る日も、それぞれ違った楽しさがあり、地元の自然は私にとって特別なイベントではなく暮らしの一部となっています。

昭和の作家は「書を捨てよ、町へ出よう」と語りました。令和の今なら「スマホを置いて自然へ出よう」かもしれませんね。
少し早起きして浜辺を歩く。里山を散策する。そんな小さな一歩で、新潟はいつもと違った表情を見せてくれるかもしれません。


【プロフィール】
石津 寛(いしづ・ひろし)さん
ボニートパドル代表。1969年新潟市生まれ。高校卒業後に新潟を離れ、27歳で帰郷。現在は会社員として働く傍ら、カヤック用パドル「ボニートパドル」を製作している。妻、子ども、孫と暮らし、休日は海や里山、日帰り温泉などで過ごすことが多い。

ボニートパドル
HP| Bonito Paddles | フィールドで感じる、ジャパンメイドの実力。
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