2025年12月、新潟の気候風土を映す個性豊かな10のワイナリーが集まり、「新潟県ワイナリー協会」が発足しました。それぞれのワイナリーが創り出す新潟ワインの特徴や魅力を紹介する、月1回のリレーコラムが始まります。第1回は株式会社岩の原葡萄園(上越市)製造部ゼネラルマネージャーの今井圭介さんが、岩の原ワインの歴史と魅力を紹介します。
日本のワイン文化の礎を築いた川上善兵衛
新潟県上越市、妙高連山の裾野から日本海へと広がる越後・頸城平野に、岩の原葡萄園はあります。1890(明治23)年、日本ワインの礎を築いた創業者・川上善兵衛が自宅の庭にブドウの苗を植えたことを起点に、その歴史は始まりました。
善兵衛は創業当時、海外から輸入した苗木を植えつけ栽培していましたが、苦労の連続でした。そこで「日本の風土に根ざしたぶどうを自らの手で生み出す」ことを志します。幾度もの失敗を重ねながらも交雑を繰り返し、その回数は1万311回に及びました。
その成果として優良22品種を発表。その中でも2027年に品種誕生100年を迎える品種「マスカット・ベーリーA」は、日本ワインを代表する品種として全国各地で栽培され、日本のワイン文化の礎となっています。
岩の原ワインの代表作「深雪花(みゆきばな)」
岩の原葡萄園は創業者の挑戦の志を受け継ぎ、130年以上にわたり、四季が織りなす土地の個性を大切にしたワイン造りを続けています。代表的なワインは「深雪花」です。

岩の原ワインの代表作「深雪花」
「深雪花」はマスカット・ベーリーAを主体としたワイン。柔らかく、やさしい味わいと香りが特徴です。海の幸、山の幸、が豊富に並ぶ新潟の食卓に寄り添える赤ワインとしておすすめしています。
日本最古のワイン蔵「第一号石蔵」
創業当時の面影を残す葡萄園には、主にマスカット・ベーリーAなどの善兵衛品種を栽培するブドウ畑や、国の登録有形文化財にも指定されている明治28年建造の日本で現存するもっとも古いワイン蔵「第一号石蔵」、上越市の指定文化財にもなり現在も樽熟成庫として使用されている「第二号石蔵」などの見学も可能です。ブドウ畑を散策した後は、頚城平野を一望し、遠くに日本海や春日山を望むことができる見晴台からの景色もお楽しみいただけます。
今後も岩の原ワインは歴史や伝統に安住することなく、ワインを通し時代に応じた品質向上や表現の進化にも取り組んでいきます。
そして、「日本ワインの原点」として、地元新潟のみならず、全国の多くのワイン愛好家に支持される存在として、その未来を切り拓く挑戦を重ねていきたいと思います。

【プロフィール】
株式会社岩の原葡萄園
製造部ゼネラルマネージャー 今井圭介さん
2003年岩の原葡萄園入社。営業担当として10年以上にわたり日本ワイン市場の現場を見つめる。15年より広報・企画・マーケティング担当として岩の原ブランドを数多く発信。24年4月より製造部マネージャー、25年より製造部ゼネラルマネージャーとして中堅・若手社員とともに、未来の岩の原ワインの味わい、作りの方向性を担当している。
株式会社岩の原葡萄園
住所|新潟県上越市北方1223番地
電話|025-528-4002
ワインショップ営業時間|9:30~16:30(定休日 1~2月の日曜日、年末年始、その他臨時休業あり)
ワイナリー見学|9:30~16:00
HP|https://www.iwanohara.sgn.ne.jp/




